今回は、2021年の4月に発売されたUNIFLAME(ユニフレーム)の焚き火鍋18cmについてご紹介します。
最近の僕は、ソロキャンプの時に焚き火を使った調理にハマってます。
直火による調理の火力調節がガスコンロに比べて難しいことは、みなさんよくご存知のとおり。
それだけに、直火でうまく料理が作れたときの達成感といったらもう最高なのです。
またこの直火調理スタイルですが、寒い季節のキャンプでは焚き火で暖をとりながら調理も出来るので一石二鳥。
雰囲気もいいので、数あるキャンプスタイルのひとつの理想形と言ってもいいと僕は思います。
キャンプに少し慣れてきたら、みなさんも直火による調理に挑戦してみませんか!
直火調理で使うソロキャンプ用の鍋として作られたのが、今回ご紹介する焚き火鍋18cm。
ただしこの鍋、これまでのアウトドア用コッヘルとは異なり「まんが日本昔話」に出てくるような囲炉裏で使う鉄鍋に形状が似ているため、使い勝手が気になると思います。
そこで、この記事ではユニフレームの焚き火鍋18cmの購入を検討されている方のために、製品の特長や気になる仕様、そして実際にソロキャンプでこの鍋を使ってみた感想について詳しく解説していきます。
それでは、最後までごゆっくりとどうぞ。
目次
焚き火鍋18cmの3つの主な特長
まずはじめに焚き火鍋18cmの主な特長を3つご説明します。
火にかけやすいしっかりとしたツル
焚き火鍋の一番の特徴は、直火の上に吊るして使うための吊り鍋であること。
そのため、大きなツルが1本ついています。
このツルですが、一見しただけで太くて丈夫な作りになっていることがわかりますよね。
「えっ、こんなに太いの?」と思ってしまうこのツルこそ、ユニフレームらしさがヒシヒシと伝わってくる注目すべきポイントなんです。
またハンガーに吊るした時に、鍋の重心がずれないようツルの中央部を少し凹ませているのも親切な設計です。
これなら重心がズレて鍋が傾いてこぼれるのを防いでくれるため安心ですね。
素材にステンレスを採用
野営や無料キャンプ場など、キャンプ地に炊事場がなくて鍋をその場ですぐに洗えないときや、晩ご飯をそのまま鍋に入れたままにして翌朝食べたい時など、ダッチオーブンの様な鉄製の鍋では、錆が浮いてこないか気になるものです。
この焚き火鍋は素材にステンレス鋼が採用されているため、そういった時でもサビが発生する心配はほとんどなく取り扱いが容易です。(全くサビないわけではないですが。)
また直火に鍋をかけていて万が一空焼きになってしまったような場合、融点の低いアルミ製のコッヘルは溶けてしまう心配がありますが、ステンレスは熱に対しても比較的強い特徴があります。(フタは木製なので焦げてしまいますが。)
懐かしくて新鮮なデザイン
若い宮本武蔵が食事中の剣術の達人 塚原卜伝に斬りこんだ時、卜伝が囲炉裏の吊り鍋の木のフタで刀を受ける場面はとても有名ですよね。
この焚き火鍋が、この昔から日本家屋にあった囲炉裏の自在鉤に吊るされている「吊り鍋」によく似た形にデザインされていることは一目瞭然です。
なので、焼き目のはいった木製のフタや、円くて大きめなツルのデザインを見ていると、やはりどこか懐かしさや温かさを感じてしまいますよね。
また同時に、今まで家の中で使っていた吊り鍋をアウトドアに持ち出すことで新鮮な感じがします。
懐かしさと新鮮さを同時に感じられるなんて、なんともイイとこを狙ったお鍋じゃないですか!!
焚き火鍋の主な仕様
それでは、焚き火鍋18cmの仕様をみていきましょう。
焚き火鍋18cmと焚き火鍋26cmを比較
ここでは同時に発売された焚き火鍋26cmと比較をしてみます。
焚き火鍋18cmはソロサイズ、26cmはファミリーサイズというのがメーカーの設定です。
18cmでは容量が足りないという方は、一回り大きい26cmの方を選ぶといいと思います。
両方買うと、焚き火鍋26cmの中に一回り小さい18cmをスタッキングできるので便利です。
焚き火鍋18cm | 焚き火鍋26cm | |
サイズ | 約φ18×8(高さ)cm
約21.5cm(ツル外寸幅) |
約φ26×12(高さ)cm
約28.5cm(ツル外寸幅) |
重量 | 約540g | 約950g |
材質 | 本体・ツル:ステンレス鋼
フタ:天然木 |
本体・ツル:ステンレス鋼
フタ:天然木 |
満水容量 | 約1.7リットル | 約4.5リットル |
発売日 | 2021年4月17日(土) | 2021年4月17日(土) |
生産国 | 日本 | 日本 |
価格 | 3,500円※ | 4,600円※ |
※価格は2022年2月1日に改定されました。(3,300円→3,500円、4,400円→4,600円)
焚き火鍋18cmで実際に使える水の量
焚き火鍋はフタを鍋の内側に落とし込むタイプなので、実際に使える水量は、上表の満水容量よりもずっと少なくなります。
それでは実際に水はどれくらい入るのでしょうか?
実際に焚き火鍋のフタの下のレベルまで水を入れ、次にナルゲンボトルに移して容量を計ってみました。
結果は約900ccでした。
というわけで、満水容量の約半分程度が実用容量のようです。
見た目のわりに容量は少なめですが、ソロキャンプ用としては適量ではあります。
やろうと思えばもっと上のほうまで水を入れることは出来ますが、メーカーの注意書きにもある様に、縁の近くまで水を入れると沸騰したお湯がこぼれたりすることもあり危険ですのでやめておいた方が良いと思います。
鍋の材質について
試しに磁石を焚き火鍋に近づけてみたところ、しっかりとつきました。
どうやらステンレス鋼の中でも特に熱やサビに強い種類(オーステナイト系)ではなく、他のものが使われているようです。
メーカーの説明では長時間のつけ置き洗い、調理後の長時間の保存、本体を伏せたままでの保管についてはサビの原因になるとの注意書きがあります。
錆の発生については注意しながら使っていくといいですね。
もしサビが発生した場合ですが、クレンザーなどでこすり洗いをし、水ですすぐという説明がありますのでひと安心です。
ユニフレームのソロ用ダッチオーブンと比較
ユニフレームには焚き火鍋18cmの他に、ソロキャンプ用の鍋として使え直火に強いダッチオーブンスーパーディープ6インチ(2020年限定商品)というアイテムがありますので、どんな違いがあるか比較してみましょう。
この二者は材質の違いこそありますが、「鍋」という用途では同じように使うことが出来ます。
サイズ感を分かりやすくするために下の写真にように並べてみると、ダッチオーブン6インチの方がサイズが一回り小さいことがわかります。
もし、このダッチオーブンが鍋としては小さすぎると感じるなら、焚き火鍋18cmの方を選ぶと良いと思います。
ダッチオーブン6インチはフタが重くシッカリ密閉できるので、炊飯に使うにはこちらがオススメです。
もちろん味噌汁やラーメンのように塩分の入った汁モノをあつかった場合、鉄製のダッチオーブンはさびやすいので、使用後はお手入れ(洗って乾かして油を塗る)をなるべく早く行う必要があります。
この使い勝手の点では、ステンレスの焚き火鍋の方がずっと良いです。
ここで取り上げたユニフレームのダッチオーブンスーパーディープ6インチの紹介記事はこちらです。
実際にソロキャンプの直火調理で使ってみた
それでは、実際にキャンプで使用した感想についてお話します。
熱くならない木製のフタが便利
焚き火の上に鍋をかける場合、爆ぜた薪や、舞いあがった灰などが鍋に入ってしまわないよう、基本はフタをしておくことになります。
そうすると鍋の中を確認するためには、毎回鍋からフタを外してまたフタをするという動作をくり返すことになってしまいます。
もしダッチオーブンだったらフタを外すためにリフターを使うことになるし、メスティンなら耐熱グローブを手にはめる必要があって、作業が面倒に感じることもしばしば。
焚き火鍋の良いのは、木製のフタを採用しているので素手でもフタをつかめることです。(他の部分は熱くなっているので、火傷には十分気をつけてください。)
焚き火鍋18cmはソロキャンプにちょうど良いサイズ
デュオキャンプで一度この焚き火鍋18cmを使ってみましたが、味噌汁程度なら2杯分を十分作ることが出来ました。
ただし、このサイズ感は作るものによって変わってきます。
鍋を作る場合
例えば鍋料理なら、デュオキャンプでは少し鍋のサイズが小さく感じるはず。
焚き火鍋18cmは、ソロキャンプなら鍋料理でも十分使えるサイズ。
ラーメンを作る場合
また、ラーメンならちょうど一人前でこの分量です。
味噌煮込みうどんを作る場合
うどんの麺などは2玉単位で売られていたりしますが、下の写真はうどん2玉を投入して味噌煮込みうどんを作った時のもの。
見た目にはすこし多い感じがしますが、実用上は全く問題ありません。
湯豆腐を作る場合
湯豆腐なら、豆腐一丁を全て入れてもピッタリなサイズ感です。
すき焼きの場合
冬は一人すき焼きをつつくのも良いですね。
焚き火鍋ならジャストサイズ。
シチューを作る場合
シチューだって大丈夫。
この焚き火鍋一杯のシチューを作れば、きっとお腹いっぱいになるはずです。
というわけで、焚き火鍋18cmはソロキャンプで使うのにちょうど良いサイズだということがお分かりいただけたかと思います。
錆びを気にしなくていいので野営でも使い勝手ヨシ!
僕は野営地や無料キャンプ場など、サイトに炊事設備が無いような場所でキャンプをすることが多いのですが、こういった場面では使った後で鍋をすぐに洗うことができないため、自宅にいったん持ち帰って洗うことになります。
今まで鉄製のダッチオーブンやスキレットなどでこうした使い方をしたことがあったのですが、洗うまでに時間がたってしまうので鉄製品は錆が生じてしまうことがよくありました。
その点、この焚き火鍋ならサビが発生することはありません。
メンテナンス性を考えた場合、ステンレス製の鍋というのはとても使い勝手の良い調理器具だと感じます。
軽くて持ちやすい
ステンレス製でしっかりとした感じがする鍋ですが、持ち上げるとさほど重さを感じず、このサイズの鍋にしては軽量に思えるほどです。
どうやら、フタが木製だということに加え、鍋本体の厚みも薄いため、全体として軽量に仕上がっているようですね。
こういう重さって扱いやすさに直接つながってくるので、長く使っていく上で大切なポイントになります。
またツルが太いこともハンドリング性の良さにつながっていますね。
木ブタの動きで鍋の状態が分かる
焚き火鍋を使っていて面白いと思ったことの一つが、木のフタの動きです。
木のフタの鍋を初めて使ったせいもあるけど、鍋とフタとの間に隙間が出来るせいで、鍋が沸騰したらフタがまるで生きているかのようにパカパカと動くのでわかりやすいですね。
豚汁仕込み中。
グツグツやでー👍#焚き火鍋18cm#ユニフレーム pic.twitter.com/ijuGDnkmyh
— ochan(おーちゃん) (@tomorrowcamp) May 5, 2021
焚き火鍋18cmと各種焚き火台との相性について
実際に直火料理をする際には焚き火台が必要になります。
ここでは、僕がソロキャンプの時に実際に使っている焚き火台と焚き火鍋18cmの組み合わせをご紹介します。
コールマン ファイアーディスク
コールマンのファイアーディスク(通常サイズ)には焼き網がついているのですが、この上に鍋を載せると火との距離が近すぎます。
そこで僕はトライポッドや焚き火ハンガーなどを使い、焚火鍋18cmを吊るして使うようにしています。
鍋を使うときはこうして火力調整が容易にできるような方法にすると使い勝手が良いですよ。
DOD めちゃもえファイヤー
めちゃもえファイヤーは煙が少ないし火力も強いので調理に向いている焚き火台です。
ただし直接めちゃもえファイヤーの上に焚き火鍋18cmを載せて使うとどうしても不安定になりますので、この焚き火台を使用するときも吊り下げ式にするのが良いようです。
SOLO STOVE Campfire
僕はSOLO STOVE Campfire(ソロストーブ キャンプファイヤー)を使うときは焚き火鍋18cmを直接ソロストーブの五徳に載せる方法と、吊るす方法があります。
この焚き火台を使用するとき、僕はペレット燃料を主に使っているのですが、火力が強いため五徳の上に焚き火鍋18cmを載せると木の蓋が燃えてしまわないかと心配になることもあります。
ソロストーブの特性上、焚き火台で火力調節を行うのは難しいため、この場合も出来れば吊り下げ式にして火力を調整した方が使い易いと思います。
ユニフレーム ネイチャーストーブ
ネイチャーストーブの場合は本体の強度があまり無いため、直接焚き火鍋18cmを上に載せるのは避けた方が良いと思います。
この場合はやはり吊り下げ式にした方が良いですね。
ユニフレーム ネイチャーストーブラージ
ネイチャーストーブラージにはしっかりとした五徳がついています。
この五徳に焚き火鍋を載せることで調理が容易に出来ます。
焚き火鍋18cmの使い方に関するQ&A
ここでは、よくある質問についてお答えします。
ガスコンロでの使用について
キャンプでは予想外の雨に降られ、突然焚き火が出来なくなってしまうこともあるもの。
そんな時は、ガスコンロでもこの焚き火鍋を使うことが出来るか気になるところだと思います。
下の写真は僕が愛用しているイワタニのタフまるJr.の上に焚き火鍋18cmを載せたところです。
焚き火鍋18cmの底面はフラットになっているので、ガスコンロの五徳にも載せられます。
五徳へしっかりとのりますし、それなりに重さもあるので、シャブシャブなんかしても安心して使えますよ。
焚き火鍋を吊り下げるには
焚き火鍋を吊り下げる道具には①焚き火ハンガーと➁トライポッドの2種類があります。
一つ目の焚き火ハンガー(ファイアースタンド)とは、下の写真のように地面に打ち込んだ支柱にひっかけたアームに鍋を吊るすものです。
この焚き火ハンガーなら、アームの高さを上下させたり、水平に回転移動させることで火力調整などを行うことが出来ます。
また組み合わせる焚き火台の種類を選ばないので、汎用的に使えるメリットもあります。
もし購入するのであれば、ロストル(鍋などを載せられる面積の広いアーム)つきの焚き火ハンガーがオススメ。
これなら直火でロストルの上にフライパンを載せて調理をすることも出来て便利です。
二つ目のトライポッドとは下の写真のように3本足で自立して、頂上からチェーンで鍋を吊るす道具です。
トライポッドタイプが焚き火ハンガーに比べて便利なのは、焚き火ハンガーのように地面に支柱を刺す必要がなく脚を広げるだけで安定することです。
これによって硬い地面の上でも問題なく使うことができます。(上の写真では、焚き火シートの上に脚を載せています。)
また焚き火ハンガーに比べて軽量で、折りたためばコンパクトに収納出来るのもメリットですね。
もしバイカーさんなら、こちらを断然おすすめします。
僕が使用しているキャプテンスタッグの2wayトライポッドの紹介記事はこちらです。ご参考まで。
収納ケースについて
ただしご心配されている如く、下の写真の様に焚き火で使用したあとの鍋の底にはどうしても黒いススがついてしまうものです。
これでもススの付着を防止することがじゅうぶん可能ですし、袋が汚くなってきたら洗濯すれば問題ありません。
個人的にはこれで十分かと思っています。
スタッキングについて
スタッキング(食器の積み重ね収納)は出来ますか?
僕のスタッキングの例を紹介します。
まず焚き火鍋18cmの中に他の食器やコッヘル類を入れると、この鍋を使ったあとは中のモノも一緒に汚れてしまうことになるので、僕の場合は出来るだけ鍋と一緒によく使う頻度の高いモノだけを組み合わせるという考え方でスタッキングしています。
現在は、下の写真のようにエバニューのBackcountry Almi Pot(お米を炊くハンゴウです)を中にスタッキングすることで落ち着いています。
なお、アルミポットを入れた状態でフタをすると少しフタが浮きますが、この状態で100均の食器バンドで押さえてやります。
どちらにせよスタッキングした場合はゴムなどで固定してやらないと搬送中に鍋同士擦れて傷つきますので、少しフタが浮くくらいの方がしっかりとアルミポットを固定でき好都合です。
焚火鍋18cmではじめるソロキャンプ直火料理のまとめ
最後になりましたが、今回ご紹介した焚き火鍋18cmについてまとめます。
良い点&悪い点
ここでは参考になるよう、良い点ばかりではなく悪い点についても記します。
1.良い点
- 直火に耐える耐熱性、防錆性の高いステンレス製
- ガスコンロの五徳にも載せることが可能
- 鉄鍋に比べ薄く軽量な本体
- 丈夫で使いやすいツルつき
- 熱くならない木のフタ
- ソロキャンプにちょうど良い容量
- 優れたデザイン性
2.悪い点
- 見た目のわりに少ない容量
- スタッキングしにくい
- 収納ケースが別売り
- 炊飯には向いていない
見るだけでほっこりさせてくれる鍋がいい
前述の通り焚き火鍋18cmにも悪い点がありますが、それが大きな問題に感じさせないだけの魅力があります。
例えば、ラージメスティンは人気の調理器具ですよね。
焚き火鍋に比べ、このラージメスティンの方がコンパクトにも関わらず、実際に使える容量は焚き火鍋と大差ありません。
スタッキングもメスティンの弁当箱のような形状の方が有利だし、またメスティンなら収納ケースを探せばサードパーティー製の商品がたくさん見つかるはず。
もちろん、メスティンはもともとハンゴウなので炊飯は得意です。
単純に比較すると、どうやっても焚き火鍋は収納サイズでラージメスティンに勝てそうにありません。
それでも焚き火鍋を愛してやまない理由は何かといえば、
それは焚き火鍋のデザイン性の良さや、焚き火の上に吊り下げて使っている雰囲気が最高だから。
焚き火鍋ってレトロ感があって格好いいし、見てるとほっこりしちゃうし、とにかく使いたくなる鍋なんです。(笑)
ですので、ここに共感できる方なら直ぐに買ってもいい鍋だと僕は思うのですよ。
それでは今回はこのへんで。
みなさん、楽しいキャンプを!