こんにちは、ochanです。
ユニフレームの薪グリルは2020年現在、サイズの違う薪グリル、薪グリルラージ、薪グリルSOLOの3種類が存在します。
この中で僕は薪グリルラージを購入して使っているのですが、今回の記事ではソロキャンプで使う薪グリルの中でサイズを選ぶなら、一番大きい「ラージ」をオススメする理由、それから薪グリルラージを開封し実際にソロキャンプで使ってみた感想についていろいろとお話しをしたいと思います。
さてその薪グリルラージですが、1週間ほど前に購入しさっそく週末の二泊三日のソロキャンプで使ってみました。
このキャンプの調理では、実験的にいつもの使用しているガスストーブを一切使わず、すべて薪グリルの炎だけで行うルールにしました。
普段はガスストーブの手軽さに慣れているので、薪の火力で調理する作業は想像通り悪戦苦闘の連続。
薪から出てくる煙に目をいぶされ涙を流しながらも、トングとウチワを両手にもち薪グリルの前に座って火加減をずっと調整しているうちに、しだいに小さい頃のキャンプで味わった火遊びの原体験をたどるように記憶が呼び起され、それはとても楽しいソロキャンプの思い出となりました。
この薪グリル、思っていた以上に良い焚き火台です。
調理用グリルとしての使い方はもちろんのこと、寒い時には反射板つきの焚き火台としても有用な製品だと感じました。
それでは、そろそろ本題に入りましょう。
今回は少し長い記事になりましたが、しばらくおつきあいくださいませ。(#^.^#)
目次
薪グリルのサイズが3サイズあるのはなぜ?
さて、先に薪グリルには3サイズあるというお話をしましたが、この理由についてお話しします。
これはユニフレームのいつもの販売戦略で、(ファイアグリルやユニセラTGなどと同じように)
- 初めにノーマルサイズを発売する。
- ノーマルサイズが売れるとラージサイズを発売する。
- ラージサイズが売れるとソロサイズを発売する。
という手順通りに進んで3サイズがラインナップされたからです。
またそれだけ、この薪グリルシリーズがベストセラー商品だということでもあります。
薪グリルと薪グリルラージの仕様比較
次に薪グリルの主な仕様についてご紹介します。
通常サイズの「薪グリル」と呼ばれる商品と、僕が購入した一回りサイズの大きい「薪グリルラージ」の2商品の仕様を下の表で比較してみます。
薪グリルsoloVS薪グリルVS薪グリルラージ仕様比較
薪グリル solo |
薪グリル | 薪グリル ラージ |
|
使用時 サイズ (cm) |
約20.5×18 ×18.5(高さ) |
47.5×30 ×35(高さ) |
68×40 ×40(高さ) |
収納時 サイズ (cm) |
約13.5×21 ×6.5(厚さ) |
26×56 ×8(厚さ) |
35.5×56 ×8(厚さ) |
材質 | ステンレス鋼 | ステンレス鋼 | ステンレス鋼 |
重量 | 約1.1kg | 約3.6kg | 約4.6kg |
分散 耐荷重 |
約10kg | 約10kg | 約20kg |
付属品 | 収納ケース | 収納ケース | 収納ケース |
発売年 | 2019年 | 2016年 | 2017年 |
価格 (税込) |
6,600円 | 13,500円 | 18,500円 |
価格はユニフレームHPに表示されているものです。
使用時のサイズですが、薪グリルの幅が47.5cmに対し薪グリルラージの方は68cmと約1.4倍大きいわけです。ただ数字だけで比較しても、この違いはなかなか分かりにくいですよね。
そこで、薪グリルと薪グリルラージの2台を並べたのが下の写真になります。
どうでしょう?感覚的には2倍くらいの大きさの違いがあるのではないでしょうか。
~ユニフレームのHPより
薪グリルsoloはここに注意!
この薪グリルsoloの幅寸法はカタログ上で205mmしかありません。一方、ホームセンターなどで売られている薪は32cm前後なので、このままでは薪グリルsoloに薪をそのままくべることが出来ないのです。
このため購入した薪をノコギリなどで薪を短く切断する工程が焚き火の前に必要となり、けっこう手間な作業だと感じる方も多いと思います。
薪グリルsoloは持ち運びしやすいコンパクトな点が優れていますが、その反面、市販の薪を使うならサイズを調整する必要が生じますので、選ぶ際にはこの点に留意された方がいいと思います。
ソロキャンプなのに薪グリルラージを選んだわけ
僕の場合はこの薪グリルをソロキャンプでの使用を中心に考えていましたが、迷ったあげく薪グリルラージを選びました。
この理由はいくつかありますが、もしソロキャンプ用に購入を考えられている方で通常の薪グリルサイズで良いと思われているならば、いちど検討されてみることをぜひオススメします。
キャンプ系のSNSではソロキャンパーの方が薪グリルラージを使っているのをよく見かけますが、僕もお店で実物の薪グリルを見た時、第一印象で薪グリルは小さいと感じました。
そう感じたのは想定している薪グリルの使い方によるところが大きいと思います。
もし薪グリルを、それこそカタログの謳い文句である”カマド”=調理するための道具と考えるのであれば、通常の薪グリルのサイズでも実用的には十分です。
一方、後方の反射板のによる輻射熱の効果を活かし、薪グリルを冬キャンプの暖房としても使いたいという方も多いと思います。
カマドというより”暖炉”の様に薪グリルを使うことを考えた場合、やはりソロキャンプにおいても薪グリルラージの方が暖房能力が高いので非常に有利になります。
(お見苦しい写真で申し訳ありません。寒かったので足を暖めているところです。)
もう一つ理由を付け加えると、薪グリルラージは見た目に一人で使っていても全然違和感のないサイズです。けして大きすぎるという感じは受けませんよ。
もちろん、この薪グリルラージは収納したときの大きさと重量感が結構なものですので、ラージサイズをオススメ出来るのは車で移動するキャンパーさん限定になってしまいますが。( ˘ω˘ )
薪グリルラージの細部を観察する
それでは薪グリルラージの開封から、細部を観察してみたいと思います。
薪グリルラージを開梱します
まずは箱を開けたところです。薪グリルはステンレス製なので、搬送中に傷がつかないように青いビニールで保護されています。さすがユニフレ―ムといった感じで、こういうところは丁寧ですね。
背面の反射板を広げたところです。薪グリルの組み立ては薪グリルラージを変わりませんが、基本的にこの大きな板の両サイドに部品を取り付けていくだけです。
次に灰受けを取り付けます。
さきほどの灰受けですが、反射板にこの様にひっかけているだけです。でも簡単には外れない構造になっています。
ロストルは、この様に中央にある2つの穴にはめ込みます。このロストルは通風を確保して燃焼効率を上げてくれる重要なパーツです。ロストルをはめると灰受けが固定されるようになっています。
ダッチオーブンやケトルなどを置く長いゴトクです。この重いゴトクを反射板に取り付けると全体が固定されてしっかりとします。下の写真では一番高いところに取り付けていますが、取り付け高さは3段階に変更できますよ。
空気取り入れ口など細かい工夫が見られる
灰受けには下の写真のような膨らみがありますが、ここには穴が開いていて外部からフレッシュな空気が入るようになっています。こういうのって何度か試験を繰り返して最適な位置や穴の大きさを決めたのでしょうね。そんなところを想像すると面白いです。
薪グリルを分解して収納してみました
さて、もう一度薪グリルラージを分解しました。パーツの数は4個だけですが、それぞれステンレス鋼で出来ていてずっしりと重いですね。
薪グリルは焚き火台としては高価な部類だと思いますが、一つ一つのパーツがとにかく丈夫に出来ているので、実物を見ればきっと価格相応だと感じると思います。
薪グリルラージを付属の収納ケースに入れてみました。この収納ケースですが、中に収納する部品の重さに反して意外とペラペラなんです。これだけは使っていると破れそうな気がします。そのうち専用のトートバックが売り出されるといいなと思うのですけど。
背面からの火の落下問題について
薪グリルと薪グリルラージは共通して反射板の中央が下の写真の様に後ろ側に広がり、大きなダッチオーブンが中央に置ける様になっています。薪グリルのユーザーさんによるレビューでよく見られたのが、この三角形のスキマから火のついた薪が下に落ちてキャンプ場の芝を焼いてしまうような書き込みでした。
お店で問題のポイントを見てみたが
直火禁止のキャンプ場では、やはり芝を焦がしてしまうのは良くないと思うので、ここは購入前によく検討しました。実際にお店で実物を見たところ、空間がそこそこ大きくて確かにそんなことが起きそうだと思われました。
この火のついた薪が落ちるのを防ぐために、ユニフレームから「薪グリルロストルウォール」というオプションが出ています。このロストルウォールは灰受けの奥側に高い壁を追加するものです。これを使えば確かに火のついた薪が奥に落ちにくそうですね。
ところで、ここで問題が。。。
薪グリルラージにはロストルウォールの別売りがない
このオプション(ロストルウォール)は薪グリルでしか使えないのです。商品の幅寸法が全く違うので、これは当然といえば当然の話ですよね。パパーマンは何故、薪グリルラージにはこのオプション設定が無いのだろうとずっと思っていました。
そこでまた実物を調べていたら、薪グリルラージと薪グリルでは問題となる灰受けの奥の形状が違うことに気付きました。下の写真はパパーマンの薪グリルラージですが、ラージサイズはじめから奥の壁が薪グリルにくらべてずっと高かったのです。
これは全くの想像ですが、ユニフレームは薪グリルを発売した後で奥側から火が落ちる問題に気づき、薪グリルに対してはオプションでロストルウォールを別売するという形で対応したのだと思います。そして後発となった薪グリルラージでは、はじめから対策済み品を売っているのではないでしょうか。
というわけで、薪グリルラージは「薪グリル+ロストルウォール」の状態になっており、この問題をはじめからクリアしている製品だと思うようになりました。ここで気持ちがスッキリしましたので、あとは購入して使ってみるだけになりました。(^_-)-☆
薪グリルと薪グリルラージの価格のお話
1.薪グリルとロストルウォールを購入した場合:13,500円+1,200円=14,700円(税込み)
2.薪グリルラージを購入した場合:18,500円(税込み)
価格は、18,500円÷14,700円=1.26倍
ほぼ重量と価格が比例してるようです。
ソロキャンプで薪グリルラージを実際に使ってみる
薪グリルラージを購入し、さっそくキャンプで使ってみることにしました。ここからは使ってみた感想など書いていきますね。
薪グリルラージの下スペース利用方法
薪グリルラージには地面と灰受けの間のスペースが13cmあります。このスペースによって熱による芝などへのダメージを軽減する効果があるのですが、このスペースに次に使用する薪を入れておくとで、焚き火をしている間に薪を乾燥させることが出来ます。
それにここに薪がたくさん入っているのを見ると、不思議と安心感がわいてきます。(*^-^*)
薪グリルは背面から見ても格好いいスタイル
下の写真はタープ前に薪グリルラージをセットしたあとで、後ろから見たところ。後ろから見てもなかなか格好いいですね。(^^ゞ
薪グリルラージに点火!
暗くなってから薪グリルラージに初点火しました。このキャンプ場は夜になると気温は10℃をきるので、けっこう肌寒いのです。そこで薪グリルで暖まろうとしたのですが、点火したばかりの時はあまり暖かくないですね。ところがしばらく薪を燃やして熾火が出来てくると、放射熱が徐々に増えて暖かくなってきます。
薪グリルは通常の焚き火台と違い、焚き火の熱を前面に集める効果があってかなり暖かいです。あとは風の影響も周りの風防によって軽減されるようで安定した炎が作りやすいと思います。火力調整をしなければならない炊飯をしている時などは、特に使いやすいと思いました。
薪グリルラージをはじめて使ったキャンプの様子です。ご参考まで。
キャンプケトルの真価が薪グリルを使ってはじめて分かった
ユニオフレームのキャンプケトルは、ファミリーキャンプをはじめた頃に購入したアイテムですが、こうして焚き火にかけて使うのは初めてではないかと思います。もちろん、キャンプケトルは煙に当たってすすけてくるのですが、これがキャンプケトルの正しい使い方ですね。(;^ω^)
直火をコントロールすれば焼きものも出来る
ブリッジの部分に牡蠣をのせて、焼き牡蠣を作っています。いつもはユニセラを使って炭で焼くことが多いのですが、こうして薪で焼いて食べるのも楽しいですね。うまく焼けるかドキドキしますけど。
薪グリルの火が熾火状態になったら、サンマもこの通り焼くことが出来ますよ。
使用している魚焼き網はキャプテンスタッグ製です。この焼き網を使うと魚をひっくり返すときに楽なので愛用しています。
魚焼き網の参考記事はこちらです。
ケトルとダッチオーブンとスキレットの同時使用では
この時のキャンプでは全て薪グリルラージを使って調理しようと思っていたため、キャンプケトルの他にも炊飯用としてダッチオーブン6インチスーパーディープ、そしてキャプテンスタッグの8インチスキレットを用意してきました。
この様に3つの調理器具を同時に使うには、やはりラージサイズが便利です。ただこの3つの火加減を同時にすると、結構忙しかったですけど。(笑)
薪グリルは薪を置くところが長細いのが特徴ですが、この長手方向に火力の強いところと弱いところを意識して作るようにすると、火力の調整がしやすくてうまく使えるようになってきました。こういう火力に強弱をつける場面でも、横に長いラージサイズの方が少し有利だと思います。
薪グリルと焚き火台の違いとは何か?
薪グリルで炊飯をしたり、魚を焼いたり、そしてただ焚き火をしたりと何度もキャンプで使っているうちに、やはり薪グリルは普通の焚火台とは少し違うんだなぁと感じるようになりました。
一言でいえば、薪グリルはキャンプ用に作られた「カマド」という道具だということです。通常、焚き火台は出来るだけ薪が燃えやすい様に考えて設計されていることが多いと思います。そのために、例えば風のとおり易い構造にしてやろうとか、薪と薪の間に空気が入るスペースをとってやろうとか考えて作られていると思います。
それに対して、薪グリルの場合は薪を出来るだけ燃えやすい様にすることが一番の目的ではなく、その時々の調理に応じて必要とされる火力に調整しやすい様に作られていると感じます。薪グリルは燃焼部の3面に風防をたてている構造になっていて、そもそも燃焼に有効な自然の風を遮っているわけですから、単純に燃えやすい様に設計されては無いのです。
だから基本的に強火にしたい時は積極的にウチワやふいご(ファイヤーブラスター)などで風を送ってやることが必要ですし、弱火にする時も薪の配置や風のとおりを工夫してやる必要があります。逆説的な説明になりましたが、つまり手をかけるてやることで火力を思った通りにコントロールできるのです。
お米を炊くには強火でいったん鍋(釜)を炊き上げた後、今度は弱火をずっとキープする工程になりますが、こういう時に薪グリルならば火力を調整しやすいと感じられるはずです。
ユニフレームのキャンプ羽釜を使って炊飯をした時の様子です。焚きグリルとキャンプ羽釜を使えば、ご飯が美味しく炊けますよ!
薪グリルは新世代の焚火台
夕食が終わったあとなど、焚き火をじっくりと楽しみたい時には薪グリルのゴトクを外せば焚き火台モードに。
こうすれば薪の配置を変えたい場合にも扱いがとても楽になりますね。
また寒い季節には、反射板による輻射熱の増幅効果で暖かさをいっそう感じることができますよ。
薪グリルのあるキャンプの朝の風景
朝起きたら、薪グリルの前で静かに薪に火をつけましょう。
一杯のコーヒーで目覚める朝は
ケトルのお湯を沸騰させるところから一日が始まります。
男は黙って薪グリルラージまとめ
最後に薪グリルラージの特長をまとめます。
- 通常の焚火台に比べて前方に輻射熱が集まりより暖かい
- 付属のブリッジにケトルや鍋等を直接おけるので調理に便利
- 炎の周りが風防の様に囲われるので風の影響をを受けにくい
- 地面と炎が13cm(通常の薪グリルは10cm)離れているので芝を痛めにくい
- 灰受けの奥が立ち上がっていて後ろに焚き火の火が落ちにくい構造(薪グリルはオプションのロストルウォールで対応)
- 売られている薪がそのまま投入できるサイズ感
- オールステンレス製で長持ち
薪グリルラージの総合評価
それでは管理人の独断と偏見による薪グリルラージの評価です。
性能
使いやすさ
コストパフォーマンス
性能については他に同じコンセプトの製品が無い(現時点ではテンマクデザインの”とん火”はカタログ落ち)ため比較はできませんが、調理用グリルとしての焚き火台という点では、かなり優れた製品だと感じ4.6点としました。
使いやすさについては、通常の焚き火台より火力を維持するのに気を使う面があるので、3.7点としました。
けして安いとは言えない価格ですが、単なる焚き火台としてではなく調理用の五徳も備え、冬は暖房器具としても使えます。またそれなりに部品点数も多いためコストパフォーマンスは3.7点としました。
というわけで、今回お話をした薪グリルラージですが
冬キャンプでワイルドなキャンプスタイルを目指したい方には特におすすめの一品です。
下の写真はパパーマンのキャンプサイトの朝の風景です。やっぱり薪グリルは格好良いなー。( ˘ω˘ )
今回ご紹介したユニフレームの薪グリルラージは惜しまれながらも2022年に廃番となってしまいました。
Amazonでは現在も販売されているようですが、もしご興味のある方は在庫が無くならないうちに急いで購入されることをお勧めします。
それでは、今回はこのへんで。