今回は僕がずっと使い続けているテンマクデザインのパンダTCのお話です。
初めてパンダTCを使った時に思ったことについては、こちらの記事に書いています。ご興味のある方は参考にしてください。
パンダTCを2018年の9月に使い始めてここまでほぼ1年。この間にパンダTCを使ったキャンプ泊数を数えてみれば31泊と、かなりなヘビロテになっていました。
僕はパンダTCの他にもサーカスTCやピルツ7、ムーンライト5などのテントを持っていますが、結局この一年はほぼパンダTCばかり使っていたようです。
これはもちろん、パンダTCがそれだけ使いやすいテントだという証拠でもあります。
そこでこのあたりで、もう一度パンダTCについて思っていることを書いてみようと思います。
少し長い記事になりますが、最後までお付き合いくださいませ。
ソロキャンプで人気のパンダTCってどんなテント
それでは、まずパンダTCのスペックをじっくりと見ていきましょう。
主な仕様について
- 素材:フライシートポリエステル65%、コットン35%(表面撥水加工)、インナーボトムポリエステルタフタ68D
- 耐水圧:インナーボトム1,500mm
- サイズ:フライシート270×270×170(H)cm、インナー250×115×155(H)cm
- 収納サイズ:(約)49×25×16cm
- 総重量: (約)5,440g
- 付属品:ポール、張綱、ペグ、収納袋
- 原産国:ベトナム
パンダTCのフライシートの素材はポリエステル×コットンの混紡生地、いわゆるTC(テクニカルコットン)と呼ばれるものです。
いまさらですが、TC素材のテントには焚火の火の粉があたっても穴が開きにくく、雨でにぬれると繊維が膨張して目が詰まり防水性が生まれ、経年劣化の原因となるウレタンコーティングを使用していないので長く使えるというメリットがあります。
それにTCのサンドカラーは落ち着いた感じの色なので、それまでの赤いPANDAとはまた違った印象の大人っぽいテントになったと思います。
またパンダTCは、それまで発売されていたPANDA(最近リニューアルされましたね。)より、大きな男でも使えるようサイズが大きくなりました。
僕の場合で恐縮ですが、テントで寝る時はいつも幅100cm×長さ200cmのシングルサイズの高反発マットレスの上で寝ています。パンダTCのインナーはこの一人用の布団を敷いても問題なく寝ることの出来る広さがあり、さらに枕元にランタンやバッテリーなどの小物も余裕で置いておけるサイズなのです。もちろん寝袋を使うならば、ぜいたくを言わなければハーフインナーの中で2人が寝ることも出来ますね。
というわけでパンダTCにおけるこの2点の仕様変更は、それまでこのテントに興味のなかった男性ソロキャンパーの関心を集めたことで人気の幕になったのだと思います。
赤くて小さめサイズのPANDAをおっさんが使うのはやはり少し抵抗があったのですよね。パンダTCは女性キャンパーだけでなく、大柄で焚き火大好きな男性(おっさん)キャンパー目線のテントになったというわけです。
こいしゆうかさんの企画したノウハウ満載のテント
テンマクデザインの商品には、アウトドア界で活躍されている方とコラボレーション企画で作られたものがいくつかあります。今回お話しているPNADAやパンダTCはイラストレーターでアウトドアコーディネーターのこいしゆうかさんとのコラボで出来た商品なんです。
僕はPANDAが発売される前から、ずっとOgawaのピルツ7というソロサイズのワンポールテントを使っていたのですが、PANDAやパンダTCに出会った時、その設計にとても感心したのを覚えています。
これは、こいしゆうかさんのソロキャンプでの経験がキッシリ詰め込まれているテントだからだと思います。
老舗のテントメーカーが作ったピルツ7と比べても、利点がこれだけ見つかります。
- ピルツ7のφ16mmのアルミポールはタープ接続時に強度不足で曲がるけど、ほぼ同じサイズのパンダTCはのアルミポールはφ25mmで剛性が段違い。その上、タープ接続用に同径のスチールポールが別売されていて、これなら強風でも安心感があります。
- ピルツ7は出入口が1か所で夏場は風通しが悪く蒸し暑いが、PANDAは出入口が2個所あって風通しが良い。
- ピルツ7はインナーが別売だがPANDAはメッシュのハーフインナーが初めからついている。ソロなら前室が出来るハーフインナーが一番使いやすいと感じる。
- PANDAのような四角すいのテントは特に小型のソロキャン用サイズでは無駄なスペースがない。ピルツは六角すいだったが、テント内にデッドスペースが出来てしまう。
- なんといってもOgawaのピルツ7と違って価格が圧倒的に安かった(笑) シンプルなデザインなので低価格でつくれたという面もきっとあるのでしょう。
1年間使って分かったパンダTCの魅力
パンダTCはソロキャンプで使いやすく、自然にとけ込むデザインも気にいってます。そんなパンダTCの魅力を紹介します。
夏キャンプでも涼しい
パンダTCに標準でついてくるハーフインナーはメッシュ製、それにフライシートは遮光性の高いTC生地なので、夏場のキャンプに適した仕様になっています。また暑い夜は、その気になればフライシートの2面をフルオープンに出来るので風通し抜群です。(寝る時にフルオープンにするのは防犯上問題がありますけど。)
ワンポールテントの中でも抜群の立てやすさ
パンダTCの設営方法はとても簡単です。フライシートを地面に広げたら、もう次にペグダウンする手順になります。
多くのワンポールテント(サーカスTCの「設営ガイド」と呼ばれるツールなど)はペグの位置決めをするための工夫がありそのぶん手順が増えるものですが、パンダTCはいたってシンプルな手順です。
人間には直角を見極める感覚があるので、広げた正方形のフライシートの四隅に正確にペグを打つことが出来るのですよ。
ペグを打った後で真ん中にポールを立てれば、もうテントの形が出来あがります。ソロキャンプデビューを考えている方にも、ぜひおすすめしたいテントです。
TCになってサイズが大きくなった
ここはパンダTCを購入する上での大事なポイントです。PANDAとパンダTCのサイズを比べてみましょう。
フライシート | インナー | |
PANDA | 240×240×150(H)cm | 220×100×135(H)cm |
PANDA TC | 270×270×170(H)cm | 250×115×155(H)cm |
パンダTCはPANDAよりインナーサイズが長さ方向で30cm、横幅で20cm広がっています。これなら幅70cmのマットや寝袋を2つ並べておけますし、枕元へ小物を置くスペースも確保できます。
もちろんソロキャンプなら余裕の広さです。僕の場合は200cm×100cmの敷きマットと210×150の掛け布団(どちらもシングルサイズ)をインナーに入れて使っていますがサイズ的には全然問題ありません。
ポリコットンでより快適に
ポリコットンをテントに使う利点には一般的に言われているような遮光性能が高いというのもありますが、それよりも僕が良いと思うのは風にあおられても生地がバタバタしにくいという点です。風が強い夜に寝る場合など、この特性はとても有効なポイントだと思います。
パンダTCにタープを接続してアレンジ
パンダTCはタープを接続している姿が似合うテントだと思います。
そこで次に僕が持っているソロキャンプ用タープをパンダTCに接続して使用した例を紹介します。
タープを交換することで使い方が変わるので、いろんな楽しみ方が出来ますよ。
テンマクデザイン Takibi-Tarp Cotton SOLO Recta
生地は真っ白なコットン。次に紹介するムササビウイングと違って、このTakibi-Tarp Cotton SOLO Rectaはキャンプ場であまり使っている人を見かけませんね。(笑)。
でも、このタープのコットン生地の風合いを僕はとても気に入っています。晴れた日にこのタープの下にいると気持ちいいのですよ。
テンマクデザイン ムササビウイング13ft.TC “焚き火”version
テンマクデザインのムササビウイングは、ソロキャンプにピッタリなサイズ感。なんといってもタープの形状が個性的で、見た目が格好いいのです。
パンダTCに接続するなら、ムササビウイングもTCバージョンにすると良く似合います。
このタープの場合、前方のポールを長くした方が見た目は良いと思います。ポール長を240cmくらいにすると下で焚き火もしやすいですし。
ムササビウイングは夏場につかえば風通しが良く快適なタープですが、雨の日に風が吹くと横から雨が入りやすいのが唯一の弱点です。
パンダTCタープ
言わずと知れたパンダTC専用に設計されたTCタープです。もしパンダTCを購入してテントとタープを接続して使いたいと考えているのなら、間違いなくこのタープがイチ押しです。
というのも、雨の日にタープの下に置いてある荷物を濡らさずに守ってくれるからなんです。このタープが信頼できる訳はタープのサイド面が地面付近まで降りていて、横なぐりの雨に対しても雨がタープ下に吹き込んでくるのを防いでくれるからです。
僕はさらに地面ではね返った雨や泥水からも道具類を守るため、パンダTCタープの中に置く道具はユニフレームのフィールドラックの上にのせて使っています。これで大抵の雨なら問題ないですよ。
またこの独特のタープ形状は、冬キャンプで気になるサイドから吹きつける冷たい風からもキャンパーを守ってくれます。ということで、パンダTCタープはかなり実用的(実践的)なタープだと思っています。
夏場のキャンプでも、太陽の位置によらずタープ下に有効な影を作りやすいのも、このタープの利点です。
パンダTCを使い続けて思ったこと
パンダTCのよくある疑問について、思っていることを書いてみます。
冬はスカートがあった方がいいか?
僕の場合、基本は寝る時にしかパンダTCの中に入りません。パンダTCの標準インナーテントはメッシュインナーなので冬場は冷たい風がインナーの中に吹き抜けるので、寝る時に気になってしまうことが時々ありました。
なので、そのようなときはスカートがあった方がいいと思いますが、それよりもこの問題はインナーを別売りのスタンダードインナーに交換することで簡単に解決できます。
パンダTCで冬キャンプをする時は、スタンダードインナーの使用がオススメです。
パンダTCはカビが生えやすい?
雨の日のキャンプでTC幕が濡れてしまったり、冬キャンプで夜露に濡れてしまうとカビが生えないか心配になると思います。
僕はパンダTCの他にも同じテンマクデザインのサーカスTCも使っていますし、ムササビウイングTC焚き火バージョンや、パンダTCタープなどのポリコットン素材のタープもずっと使っていますが、どの幕も使っていてカビが生えてしまったという経験は無いのです。
もちろん、やむを得ず雨でぬれたまま撤収した場合などは自宅で干して乾かしていますよ。ナイロン生地のテントの場合でも、そんな時は普通は自宅に帰ってから乾燥させると思いますので、ポリコットンだからといって特別な扱い方はしなくてもいいと思います。
スカートのついたパンダTC+は買いか
もしテントを寝る時にしか使わないのであれば、はじめのQ&Aに書いたように冬でもスタンダードインナーを使用すれば風が防げるので僕はそれで十分じゃないかと思います。スカートがあると有難いのは、冬にテントの前室に座り調理するような使い方や、ハーフインナーを使わずにテント内に「パンダTC フルサイズグランドシート」というオプションを敷いてテント内で長い時間過ごすような使い方をする時です。
冬は隙間風が冷たく感じる季節なので、風が入ってくるのを防いでくれるスカートがあると快適ですね。
この話、現実になったようですね。
「パンダTC用マッドスカートセット」(7,000円+税)が2020年11月発売です。このスカートはTC素材で出来ています。
まとめ
以上、パンダTCを1年間使ってみて思ったことを書いてきました。
このパンダTCはテンマクデザインの良心が詰まったテントだと思います。
なんといっても、TC素材を使っているのに、29,800円(税別)の価格はやはり安いですね。
それでいて、縫製なんかはきっちりされていて安物の感じは全然しないですし。
もう一つ、大切だと思うポイントをお話しします。
ずっとソロキャンプをしていると、自然と設営が容易なテントを選んで使うようになるものです。
僕はパンダTCを購入する前にサーカスTCをずっと使っていたのですが、パンダTCの方が設営が楽なのでパンダTCを購入してからはこっちを使う機会が増えてきました。
サーカスTCも張りやすさでは定評のある幕ですが、パンダTCはフライシートが正方形なのと、やはり幕が小型で扱いやすいので、さらに張りやすさを感じます。
もちろんサーカスTCとパンダTCは使い方の全然違うテントなので、設営のしやすさだけで優劣を決めるつもりはありません。
というわけで最後に今回のパンダTCですが、
とにかく楽にキャンプがしたいという方にオススメのテントです。
パンダTCの関連記事です。
それでは、今回はこのへんで。
みなさん、楽しいキャンプを!