台風がやってきていますが、今週はとても暑くて夏らしくなりましたね。
僕はお盆休みに、実家のある岡山に帰省してきました。その時に訪れたのが、岡山県玉野市宇野港にある「宇野のチヌ」というオブジェです。
今回は、この宇野のチヌについてお話します。
宇野のチヌとは宇野港に置かれた芸術作品
「宇野のチヌ」は宇野港のフェリーターミナルのすぐ近くの屋外に展示されていて見学は無料。この作品はもともと平成22年の第1回目の瀬戸内国際芸術祭ではじめて披露されたもので、それからここに置かれています。2019年の今年は、屋外にずっと展示されていて劣化したため手直しされ、またお披露目となりました。
作品は骨組みに家庭ごみや廃材を取り付けて作られたものです。
僕はここへ2度ほどが訪れたことがあるのですが、いずれも観光されている方はポツポツといった感じでした。あまり観光客が駐車する場所もないので、アクセスはしにくい場所かもしれませんね。フェリー乗り場で乗船するフェリーを待つときに、時間つぶしにはいいと思います。
ご存知の方も多いと思いますが、「チヌ」というのは関西での黒鯛(クロダイ)の俗称です。チヌはとても美味しい魚で、この宇野港周辺でも釣ることが出来ます。
ゴミで構成される作品
チヌのウロコに見立てられているのは、全てゴミです。赤、黄色、緑、青といった鮮やかな色が見る人を楽しませてくれますね。
近くで見るとよくわかるのですが、この色はあとでペンキを使って塗られたものではなく、そのモノが本来持っている色そのものを利用しています。
下の写真の中央付近にあるドラえもん、確かに青ですね。(笑)
作品のテーマについて
この作品のテーマを調べてみたけど分かりませんでした。ただ作品に使われているゴミはすべて宇野港周辺の海岸に漂着したものを拾ってきたものだそうです。
ちょうど少し前に大阪で開かれたG20でも議題になりましたが、海に漂うプラスチックごみによる海洋汚染の問題がクロースアップされていますよね。
これは想像ですが、作者はマイクロプラスチックを食べて変貌してしまった「宇野に棲むチヌ」を表現したかったのかもしれません。すると作品は「海をきれいにしよう」というメッセージを持っているのでしょう。
宇野のチヌを見た時の僕の解釈
ところで、僕は現地で作品を見ていた時には先入観が何もなかったので、この作品のカラーリングに影響されて、もっと楽しいイメージでこの作品を見ていました。
この作品の特徴になるカラフルな色を表現しているのは、誰もが家庭で使っていたオモチャや日用品ばかりを使って表現されていますよね。役に立っていたモノも所有者の都合で使われなくなるとそのモノとの思い出も徐々に色あせていき、いつかは忘れ去られしまうことでしょう。
その色あせていく思い出が、太陽の下に置かれて実際に色あせていく作品のプラスチックごみと重なります。この時は「色あせていく人間との思い出」をテーマに表現しているのかと思ってましたよ。
まぁ、芸術品のとらえ方は人それぞれだと思うので、そこのところは勘弁してください。(#^.^#)
最後の写真は母親と、あっくんで記念撮影したもの。作品のサイズは長さ約6メートル、高さ約3・5メートルと結構デカかったです。力作ですね。
もし宇野港をご利用の際は、「宇野のチヌ」へいちど足を運ばれてみてはいかがでしょうか。
それでは、今回のお話はこのへんで。