今回はソロキャンプ用に購入したシベリアンクーラーボックス(SIBERIAN COOLERS)22QTをご紹介します。
最近はハードクーラーボックスの中でも保冷力を追求したYETI(イエティ)、ORCA(オルカ)、Iceland Cooler Boxといった海外メーカー製の高性能なクーラーボックスを使われている方をキャンプでよく見かけるようになりました。
国内メーカーにも、スノーピークがグリズリー社とコラボしたハードロッククーラーを発売したかと思えば、ごく最近になってOgawaもアイスランドクーラーとのコラボモデルを発売するなどの動きがあることから、キャンプでハイエンドのクーラーボックスを使うのが一大ブームとなっていることが分かります。
これらハイエンドハードクーラーボックスの一番わかりやすい特長は断熱材の厚さにあります。
例えば従来のアウトドアメーカー製クーラーボックスの代表格、コールマンの「スチールベルトクーラー」の断熱材厚さが約3cm程度なのに対し、YETIは約5cmもあります。これよりYETIは保冷性がかなり優れているクーラーだということが分かります。
そこで、これまで使い勝手と性能を優先して釣り用の中級クラスのクーラーボックスを使い続けてきた僕も、さらに高い保冷性能を手に入れたいという物欲興味が湧いてきました。
というのも高性能クーラーボックスの保冷性能の限界を知れば、もうそれ以上の性能をクーラーに望むことは無くなるはず(世の中に存在しないので)と思ったからです。
日本ではあまり知名度が無いシベリアンクーラーボックスを僕が購入したのは、保冷性能を語る上で大切な断熱材の厚さがライバル達と比べ厚いという明快な理由があったからです。
このシベリアンクーラーボックス、今ではその性能の高さから大人気のクーラーボックスになっていますよ。
ではさっそく、保冷性に優れるシベリアンクーラーボックスを見ていきましょう。
目次
体積の単位:1QTって何L(リットル)?
1QT(クォート)≒ 0.946353 L(リットル)です。
そこで、このクーラーの容量を換算すると22QT≒20.8L相当となります。
シベリアンクーラーボックスの外観を観察
クーラーの顔と言うべき正面
まずクーラーボックス正面です。このクーラーはシベリアンクーラーの中でも最新の「ALPHA」シリーズと呼ばれるものです。正面には森と精悍なオオカミの顔のイラストにALPHAシリーズの文字が載ったステッカーが貼られています。
次は後ろ面を見たところ。フタを開閉するためのヒンジ機構が見えます。ヒンジには丈夫なステンレス製を採用しています。
サイドには水栓あり
さて、そろそろ本題に入りましょう。
サイド面には底から水抜きが出来る栓がついています。クーラーボックスを清潔に保つためにも、この栓は必要なアイテム。
今度は裏側です。
ゴム製のかなり大きな滑り止めがついています。今まで使っていたダイワのクーラーボックスにも、「ふんばるマン」という似たようなゴムがついていましたが、こんなに大きくはありません。これはかなり丈夫そうですね。
上から見たところ
上面には特に目立ったところはなくフラットです。(写真では分かりませんが、SIBERIANのロゴが写真右下にあります。)穴が2か所見られますので、ここに南京錠をとりつけることが出来ますね。(実際につけることは無いと思いますが。)
カタログではクーラーボックスの上へ150kgまでの荷重なら載せても(大きなアメリカ人が立っても)大丈夫とのことです。椅子として使うには十分な強度ですね。
22QTのみアルミ製の取っ手がついています。この取っ手には握った手が痛くならないよう、中央のグリップ部分には黒いEVA発泡材料が巻かれています。実際にキャンプではありませんが一度ペットボトルと保冷剤を詰めて使ったところ、搬送中にこのグリップ部の弾力のあるクッションがいい仕事をしてくれるのを感じました。
ココは重要!ラッチがレバー式なので開けやすい
YETIなどのクーラーボックスは開閉の際にゴム製のTラッチを引っ張ってやる必要があります。購入前にいくつかのクーラーボックスの開閉を実際に店頭で試してみましたが、太いゴムを直接引っ張るTラッチタイプは、いちいち力を入れる必要があるので面倒だというのが率直な感想です。
その点、最新型のアイスランドクーラーや、この新しいシベリアンクーラーのALPHAシリーズはカンチレバー式のラッチを採用しているので開閉の際に力をほとんど必要としません。一度試してみる機会があればわかると思うのですが、このアイデアは現時点でクーラーボックスを選ぶ上での大切なポイントだと思います。
シベリアンクーラーは、下の写真のように指一本でレバーを倒して外すことが出来るくらい操作が楽です。またこのレバーはハードアノダイズ処理されたアルミが使われていて塩水による腐食環境にも強いとのこと。
蓋を閉じているとき、カンチレバーは完全にボックスの面内に納まっているので、ハンドリングしている時などに何かに引っ掛かったりする可能性が低くなる様に設計されています。
グリズリーでも壊せないタフなクーラーボックス
下の写真はフタをあけたところです。フタの裏側には「SIBERIAN」の大きなロゴが入っています。
また保冷性を高めるため、高性能なラバー製ガスケットが使われています。このガスケットも、家庭の冷蔵庫と同じで保冷性能に大きな影響を与える重要なパーツです。
グリズリーベア委員会認定
もう少しフタの裏面を詳しく観察してみましょう。
小さなシールはクマでも壊せない頑丈なクーラー、政府機関のグリズリーベア委員会(IGBC)の認定です。
認定試験は熊の好物(魚、リンゴ、バター、ジャム)をクーラーの中に入れ、1時間壊されなければ合格というものです。シベリアンクーラーがクマに襲われている動画を見ましたが、上に乗られたり、長い爪で引っかかれたりと思ったより真面目に攻められていました。(笑)
日本ならヒグマに襲われても大丈夫なクーラーということになりますが、それ自体にあまり意味はないので、とにかく頑丈なクーラーだと思っていればいいのでしょうね。
同じくフタの裏には、PL法の表示シールがついています。これを初めて見た時、正直言ってとてもショッキングでした。
日本の冷蔵庫がドアの密閉性を高めるためにロック機構を使わず、今でも磁石だけで固定されているのは、実は子供が閉じ込められる問題が過去に起きた結果によります。
これと似たような話で、アメリカではクーラーボックスの中に子供が閉じ込められる事故が起きて、訴訟問題になったりするのかもしれませんね。
シベリアンクーラーボックスのオプションを観察
それでは次に、シベリアンクーラーボックスのオプション品を見ていきましょう。
開口部の2/3くらいの面積があるバスケットがついているので、内部を2段に分割して使うことが出来ますね。マヨネーズやソースのように、すぐに取り出したい調味料はここへ入れておくと見つけ易そうで便利です。
ちなみに、本体のフチにはアイスランドクーラーボックスについているようなコンパス(磁石)や栓抜きなどの遊び心のあるアイテムはついていません。こちらはガチの仕様ですね。
ドリンクホルダーもついています。この手のハードクーラーボックスではよく見られるオプションですね。僕的には、これは使わないかな。
セキュリティロックブラケット付き
この金物は、セキュリティロックブラケットと呼ばれるもの。盗難防止を目的として、このブラケットにロープやチェーンなどを取り付け、木に巻き付けたり、またはペグダウンすることで持っていかれないようにするようです。
僕が購入した22QTは容量が小さいため仕切り板兼まな板は付属していませんが、もっと容量の大きい45QT、65QTには付属しています。
シベリアンクーラーボックスの仕様
さて、ここまで22QTのシベリアンクーラーボックスを観察してきましたが、サイズ違いのラインナップもありますので、仕様を一覧表にしてみました。
種類 | 22QT | 45QT | 65QT |
外寸 | D497×W342×H349 | D665×W414×H393 | D758×W453×H438 |
内寸 | D350×W 231×H229 | D516×W279×H270 | D598×W317×H306 |
重量 | 8kg | 13kg | 17.5kg |
容量 | 20.8L | 42.5L | 61.5L |
付属品 | 22QT カップホルダー×1 ロックブラケット×1 バスケット×1 | 45QT カップホルダー×1 ロックブラケット×1 バスケット×1 まな板×1 | 45QT カップホルダー×1 ロックブラケット×1 バスケット×1 まな板×1 |
価格※ | 27,000円 | 37,000円 | 45,000円 |
※:価格は本記事作成時点のAmazon調べ。
容量22QT(20.8L)のクーラーボックスは、1泊二日のキャンプなら、ソロキャンプかデュオキャンプ(1~2人)での使用にピッタリのサイズです。
ただ、20Lクラスのクーラーボックスなのに、重さが8kgもあるのは少し驚きでした。他社についても調べたところ、YETIの20QTは7.25kg、ORCAの20QTは約8.2Kg、アイスランドクーラーの20QTは6.9kg。
ORCAが凄いですね。やはり性能を重視すれば、重くなるのは仕方ないようです。その点、釣り用の6面真空断熱クーラーは価格がお高いのが難点ですが、同じ20Lクラスでおよそ-2kgも軽量なので感心してしまいます。
また色についてですが、現在日本で売られているカラーはGranite (花崗岩)のみのようです。なんというか、岩石のイメージそのものなので、仕様以上に見た目が重そうに感じてしまいますね。(笑)
保冷力最強がテスト結果で証明された
下のYOUTUBE動画は「ベストオブザベストアイスチャレンジ」と呼ばれるハイエンドクーラーボックスの保冷テスト。
この動画の最後にテスト結果が出てきますが、シベリアンクーラー65QTとKysek 53QTが8.5日間氷を保持して、他社の高性能クーラーをおさえてベストという結果になっています。(ただし、クーラーボックスのサイズは異なる様ですが。)
保冷力が高い理由は断熱厚さの違い
最新のシベリアンクーラーは、高性能ガスケット採用によるシール効果の高さに加え、断熱材の厚さが最大で69mm(45QT、65QTの場合)と厚くなっており、保冷性能の向上が図られる様です。
下の図の左が22QT、右が45QT、および65QT。
参考ですが、YETIタンドラはサイド面の断熱厚さが5cmです。
22QTのサイズ感について
僕が購入した22QTは、シベリアンクーラーのサイズの中で一番小さいサイズになります。
きっとソロキャンプでこのクーラーボックスを使ってみようかと考えられている方は、僕と同じようにこのサイズに興味があるのではないかと思います。
このサイズは2Lのペットボトルを縦置きに入れることは出来ませんが、1Lの牛乳パックと同じサイズの飲料なら下の写真の通り縦置きに入れることが出来ます。
最近はスーパーに行けばこの紙パックサイズのジュースや、お茶、コーヒーなど何でも揃いますし、ソロならサイズ的にも1Lでこと足りることが多いのではないかと思います。
22QTはソロで結構使い勝手のいいサイズだと思いますよ。
シベリアンクーラーボックスまとめ
以上、シベリアンクーラーボックスについてお話してきました。まだ実際にソロキャンプで使うのはこれからなので、使用して分かったことなどあればまた記事にしようと思っています。
もしこのクーラーを使うことで、「夏の2泊3日のキャンプなら途中で氷を買い足さなくても良いぞ!」という結果が得られるなら、きっと高くても良い買い物をしたと思って満足していると思うのです。(笑)
まぁ、それにキャンプでなくても、こういう保冷性能の高いクーラーボックスが一つあれば災害や停電時に役立ちます。
僕はいつでもキャンプに行くことが出来る様に(笑)、自宅の冷凍庫に保冷剤を常に凍らせているのですが、この保冷剤とシベリアンクーラーを使うことで災害や停電時には冷蔵庫の食料を長期間キープできるはずですから。
最後に今回ご紹介したシベリアンクーラーのメーカー制作動画を貼っておきますので、もしご興味がありましたら参考にご覧くださいませ。