キャンプでのネズミ対策について考えた話
ソロキャンプの夜にネズミ君がやってきた

こんにちは、ochanです。

今回はキャンプでのネズミ対策についてお話します。

みなさんはキャンプの夜、寝ている間に買ってきた食材をネズミ(または小動物)に荒らされてしまったことはありませんか。

僕は何度かテントの中に置いていた食パンなどを食べられた経験があるので、食物の被害については対策を考えてキャンプをしてきたつもりでした。

ところが最近、ソロキャンプでテント内の食べ物を物色するネズミの行動をじっくりと観察する機会があり、これまでとは少し視点を変えて対策を考え直した方がいいと感じたのです。

この新しい視点とは「ネズミのもつ病原菌に汚染されないようにするにはどうすればよいか?」ということです。

ネズミは人にとって危険な病原菌を媒介する動物としても知られていますよね。

この視点で改めて考えると、単に食材の被害を防ぐ対策に比べて注意する範囲が変わってくるというわけです。

この記事ではネズミの特徴とテント内で観察したネズミの行動から分かったこと、そして最後にその対策についてお話します。

この記事が清潔なキャンプをするためのご参考になれば幸いです。

それでは最後までごゆっくりとどうぞ。

まずはネズミのことを知る

まずは、ネズミをよく知ることから始めましょう。

ネズミの何が問題なのでしょうか。

ネズミの活動時間

昼は寝るネズミ

ネズミは夜行性なので夜になると活動するのが普通です。

夜に活動する理由はネズミの天敵が少ないためで、昼間は静かに寝ていることが多いようです。

なのでキャンプをしていてネズミがやってくるとしたら考えられるのは夜ですね。

それも人間が寝静まってから活動することが多いようです。

家ネズミ

家ネズミと呼ばれているのは次の3種類。
いずれも害獣とされ、駆除の対象となっています。

  1. ドブネズミ
    体長は22~26cm(尻尾を除く)の大型ネズミ。
    性格はどう猛で何でも食べる雑食性(肉魚や好物)。
    泳ぎが得意で、日本に下水道が発達したことによって勢力を伸ばした。綱渡りは苦手。
  2. クマネズミ
    体長は17~21cm(尻尾を除く)の中型ネズミ。
    警戒心が強く、
    何でも食べる雑食性。
    垂直な壁をのぼることが出来るので、建物の高層化が進むにともなって勢力を再び盛り返している。泳ぎは苦手。
  3. ハツカネズミ
    体長は6~9cm(尻尾を除く)の小型ネズミ。好奇心旺盛で警戒心はあまり強くない。
    身軽な身のこなしで
    何でも食べる雑食性(植物性が好物)。
    ぎが苦手で、綱渡りが得意。家ネズミだが屋内・野外を問わず生息している。

この中でキャンプ場で見られる可能性が高いのは屋外にも生息しているハツカネズミですが、民家が近いなどのロケーションによっては他のネズミもキャンプ場にやってくるかもしれません。

野ネズミ

家ネズミに対して野原や森など、自然の中に棲んでいる野生のネズミを野ネズミと呼びます。
天敵は、イタチ、ネコなどの肉食動物やフクロウなどの猛禽類、ヘビなどの爬虫類。

これらの天敵を避けるため夜行性です。主に単独で行動します。

  1. カヤネズミ
    国内で最小のネズミ、体長は5~8cm。背中はオレンジ、腹部は真っ白。主に雑草を食べる。草原に小鳥のような丸い巣を作る。
  2. アカネズミ
    体長8~14cm。口から尾の先端まで背中側が橙褐色、腹側が白のツートン。植物の種子や根茎などを餌とする。
  3. ハタネズミ
    体長9~13cm、河川敷や畑地、低地の草原に生息。背面の毛色は茶色または灰黄赤色で、腹部は灰白色。地中に巣穴を掘って生活。

ネズミの媒介する病原菌

キャンプ場で発生するネズミの害はどんなものなのか考えてみましょう。

キャンプに限った話なので、まず電線をかじられて火災が起きたり、家をかじられて壁に穴が空いたりする害については考える必要はありません。

次にキャンプに持って来た食べ物を、寝ている間に食われてしまうという直接的な被害が比較的よくおきますが、この時もっと気になるのがネズミが媒介する病原菌への感染です。

家ネズミが持っている主な菌はハンタウイルス、レプトスピラ菌、サルモネラ菌の3つ。

調べたところ、これらの菌はいずれもネズミの糞や尿から主に感染するようです。

ただしこの中で食中毒をひきおこすサルモネラ菌などはネズミの体に触っただけでも感染することがあるようなので、出来るだけネズミには触らない方がいいですね。

では次に、野ネズミについてはどうなのでしょうか。

海外では野ネズミがペスト(黒死病)を媒介した例などがあるのですが、それじゃあ日本に棲息する野ネズミは病原菌を持っているの?というのが僕の疑問です。

これについてネットで調べましたが、害虫駆除業者が作った広告ページばかりで、ほとんどの場合は最後に商売上の都合からネズミを駆除する話に至るパターンで終わってしまいます。

というわけで、野ネズミについては結局よくわかりませんでした。(わかる方がいらっしゃれば、コメント欄に書き込んでいただけると幸いです。)

ただし実際には家ネズミと野ネズミの特徴をいくら知ったところで、僕のような素人ではなかなか目の前にいるネズミの種類を判別することは難しいというのが正直なところ。

それに寝ている間にテントにやってくるネズミについては、それこそどんな種類かなんてわかりようがありませんので、病原菌を持っているネズミがテントにやってくることを前提として対策をたてるのが自衛のために良いというのが僕の考えです

手のりネズミ

↑小っこいネズミを手にのせたところ。(後で手洗いをしていますよ。)

この写真を見て、ねずみの種類が分かるでしょうか?(^▽^;)

テント内のネズミの行動を観察する

それでは、海辺のキャンプ場で僕のテントに遊びにやってきたネズミさんの行動を見ていきましょう。

食べ物を探してやってきた

ソロキャンプで晩御飯を食べたあと、シェルター型のテントの中で少し椅子に座って休憩していました。

すると、足下からズボンの中に突然何かが入ってきて中であっちこっち動き回るではありませんか。

「ギャハハッ。こりゃたまらん、く、くすぐったい。」とか思っていたら、次にテーブルの上でチョロチョロする影をみつけ、じっと見ていると正体が小型のネズミであることが分かりました。

ネズミはどうやらエサを探している様です。(なぜはじめに僕のズボンの匂いが気になったのかしら。そこは謎です。)

このネズミの写真を撮るために、LEDランタンの照度を最強に変えたのですが全然逃げる様子はありませんでした。

大きなカメラを向けると、その気配(殺気?)を感じるのか物影に隠れるものの、しばらくじっとしているとまたエサを探しに見えるところへ出てきます。

しばらくすると、メスティンの内側についている食べ残しのご飯粒を見つけたようです。

もぐもぐするネズミ

このあたりではネズミも警戒心を緩めたのか、カメラを向けても逃げなくなっています。

先ほど見つけたご飯粒を、メスティンの後ろの方で両手でつかんで食べている様ですね。

しばらくご飯粒を食べたら、飽きたのか別の食べ物を探し始めました。

ご飯粒食べるネズミ

テーブルの上に置いてあったシェラカップや箸、まな板の上などを歩き回り、ついに僕が少し前に食べ終えたヨーグルトのカップを発見したようです。

ヨーグルトに頭を突っ込むネズミ

ヨーグルトが大好物なようですね。カップの中に潜り込んで出てきません。

僕の手の届く範囲内だというのに、完全に隙だらけです。(笑)

ヨーグルトに夢中

さてこのネズミさんですが、翌日撤収をしていたらソフトコンテナの中に入れていたビニール袋の中でぐーすか寝ていたので、見つけた時は腰を抜かしましたよ。

この話の続きについてもしご興味がありましたら、こちらのキャンプ日記をご覧ください。

ネズミの行動を観察して思ったこと

このネズミがテントにやってきたとき、食料はクーラーボックスの中と、冷蔵保存する必要のないものについてはフタのないコンテナボックスの中に入れていました。

でもコンテナボックスの中の食料については見つけることが出来なかったようで、かじられた後はありませんでした。

ネズミは犬よりも嗅覚に優れているそうですが、だからといって食べ物に対して一直線にやってくるわけでは無いようで、あちこち歩き回って探しているように感じました。

探検するネズミ

このネズミの行動を観察していて分かったのは綺麗に洗剤で洗ったお皿がテーブルの上にあったとしても、そこがネズミにとって都合の良い通り道なら、そのお皿の上をネズミは当たり前のように歩くということ。

なのでネズミがやってこないようにといくらお皿を洗って綺麗にしていても、実は夜のうちにネズミがその上を歩いている可能性があるので、病原菌で汚染されてしまっているかもしれないということになってしまいますね。

探検して食器の上を歩くネズミ

食べ物についてはあきらかに一部をかじられたり、近くに糞が落ちていればネズミの被害であることに気付くことが出来ますが、通り道として皿や箸などの上を歩いても痕跡が何も残らないので、そのことに気づきようがありません。

というわけで、朝起きた時に何も異常が見つからなくても、テーブルの上にある綺麗なお皿に「病原菌がついてないですか?」聞かれたとしたら、これはもう「その疑惑があります。」としか答えられませんね。

ここが対策を考えるうえで大切なところ。

要は、寝る前にネズミが来ても問題ない状態にしておくことが重要なのです。

こんなネズミ対策が必要

あまり神経質になってもいけませんが、無理なく出来る対策をここでは考えてみます。

ネズミが吠えている

食料を守るには

まず、クーラーボックス内は安全なエリアなので何も心配がいりませんね。

クーラーボックスに入れない常温での保存が可能な食料は、寝る前に車の中に入れてしまうか、ファスナーで完全に密閉されるインナーテント内に入れておくのが良い方法です。

その他、僕が使っているもので申し訳ありませんが、ユニフレームのフィールドラックのメッシュBOXなどの中に入れておけば安全です。

食器やカトラリーを守る

綺麗に洗ったあとの食器はテーブルの上に置いたままにせず、食料と同じ様にフィールドラックメッシュBOXや、コールマンのハンギングドライネットの中に入れておくのが良い方法です。

また食器を収納していたコンテナなどのケースに入れて、しっかりフタをしておくのも対策になりますね。

さて、問題は食べた後の食器やカトラリーです。

これについては夜に洗うのが面倒だったり、また野営などしていると洗わずにそのまま持ち帰らなければならない場合もあると思います。

こういう場合、汚れた食器もメッシュBOXやハンギングドライネットに重ねて入れておくか、出来るなら寝る前に車の中に入れておくのが良いですね。

ゴミはどうする

ゴミについても生ごみなど入っていればネズミに荒らされる可能性があります。

ただし、ゴミについては次に捨てるだけなので、病原菌による被害はあまりないように思います。

それでも荒らされること自体が不本意だと思いますので、ファスナーなどで閉じることの出来るゴミ箱をお使いでしたら寝る前には閉じておきましょう。

オレゴニアンキャンパートラッシュボックスのような折りたたみ式のゴミ箱をおすすめしておきます。

別の方法としては、これも出来るならば寝る前に車に入れておくのもありますね。

まとめ

(↑夜はあれほど元気だったのに、昼間はかなり眠そうなネズミ君www)

以上、キャンプでのネズミの対策について考えたことをお話してきました。

都会の朝。

ゴミをあさる大きなドブネズミを道端で見かけることがありますが、あれは人が近づいても全然逃げませんよね。

今回、キャンプで遭遇したネズミさんはわずか5cmくらい(シッポを除く)の可愛いい奴だったのですが、これがもし凶暴なドブネズミだったらと思うとほんとうにゾッとします。

そこで僕の場合ですが、お話したネズミ対策のうち、すでに持っているユニフレームのメッシュBOXの中に、食料も使った食器類も寝る前にぜんぶ入れておくのが一番安くて簡単な方法かなと思ってます。

さてここでご紹介した対策を、これから実際にどこまで実行するかは人それぞれだと思いますが、もしこの記事がネズミ対策について考えるきっかけになってくれれば嬉しいです。

それでは、今回はこのへんで。

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