知り合いとキャンプをした時、もしその中に初めてテント泊を経験した方がいたら、その方が翌朝起きてきたら「昨日はよく眠れた?」と問いかけるのではないでしょうか。そして「眠れたよ。」という返事が返ってくると、ホッとひと安心するものと思います。
初めてキャンプに挑戦した方が、その後もキャンプしたいと思うか? その一番大きな分岐点となるのが、夜ぐっすり眠れたかどうかと言われています。
アウトドアで慣れない寝袋に潜って寝るのですから、いつもとは環境が違って寝づらいのは仕方ないことだと思います。とは言っても寝不足だと2日目の野外活動はつらくなるし、帰り道に運転するような場合は危険も伴ってしまいますので困ってしまいます。
そこで頼りになるのが寝心地を大幅にUPする可能性をもっているコットやマットの存在。
今回は5年間、毎週のようにソロキャンプへと出かけてキャンプ漬けになっている管理人のochanが、キャンプで使うコットやマットの種類とその特徴、および選び方についてお話したいと思います。
この記事を読むことで、これからキャンプをはじめる方が自分にあったコット、マットを選ぶことが出来るようになり、その結果として初めてキャンプ泊をした朝に「また次もキャンプに行ってみたい!」と思えるようになっているはずです。
それでは、じっくりと見ていきましょう。
目次
最初に悩むのはコットとマットのどちらがいいのか?ということ
さて、寝心地をUPさせるにはコットとマットのどちらを選べばいいのでしょうか。
ココが最初の悩みどころだと思います。
実はコット、マットの寝心地はどちらが良いかという答えはありません。
選ぶ上ではそれぞれ次のような特徴があるので、特徴をよく理解した上で選択をすることになります。
コット系の特徴
コットには以下のような特徴があります。
- 地面との間に風通しの良いスペースが出来るため、夏は涼しくて快適。
- 逆に保温性が無いので冬は寒く、コットの上にさらにマットを敷く必要がある。
- 寝袋などの寝具が湿りにくい。
- 寝床がベットの様に空中に浮いているので、背中に地面のゴツゴツを感じることは無い。
- もしテント内が雨で浸水してしまっても寝袋まで濡れない。
- 地面との距離がマット系より大きくとれるので、インナー無しのテントで寝床を作る際に虫などが地面から這い上がってくる可能性が低いため安心。
コットは夏に使うと涼しいのです。寝苦しい夜には特にマットに比べ快適性が高いと感じます。
マット系の特徴
一方、一般的にマットには次のような特徴があります。
- 保温性があるので特に冬は暖かい。
- 地面の上に敷いているのでコットに比べ安定感に優れる。
- 薄いマットだと背中に地面のゴツゴツを感じる場合がある。
- 厚みのあるマットならば、テント内が浸水しても寝袋まで濡れることは無い。
- マット幅は選択肢が多いため、寝がえりの打ちやすい幅広タイプを選ぶことが可能。
冬はマット系が暖かいので良いですね。というわけで春・秋はコット、マットのどちらでも大差がないということになります。
また後ほど説明しますが、とくにマット系は種類が豊富なので、状況に応じてアイテムを変えるのもいいと思います。
コットの選び方
それでははじめにコットの選び方をお話します。
コットにはロースタイルとハイスタイルがある
コットにはフロアと10cmから20cmくらいだけ離れているローコットと、ハイチェアと同じくらいの高さがあって腰が掛けられるハイスタイルの2種類があります。
ソロ用の小型テントやインナーテントが狭まい場合、ハイコットを入れると背が高いのが災いして寝る時に窮屈になることがあります。ですので小さいテントでは一般的にローコットが向いています。
一方でハイコットのメリットは使い勝手が良いことに尽きます。ハイコットはコットの上に寝転がったり、起き上がったりする動作がとても楽なのです。
さて気になるのは寝心地の違いですが、基本はローとハイの違いは脚の長さが短い長いの差だけなので、寝心地はあまり変わりません。
ローコットかハイコットかを選ぶときは、コットを入れるテントのサイズによって決めるのが良いですね。最近は脚の長さを変えられるタイプのコット(ローでもハイでも使える)も出ていますので、ハイかローか迷ったらこういうコットを選ぶのも良いと思います。
フレームにはアルミ製とスチール製がある
コットは材質によって、丈夫なスチール製コットと軽量なアルミ製コットの2種類があります。アルミ製で昔からあるGIタイプのコットは、寝ているとギシギシとアルミどうしが擦れる音がして気になることがありますので選ぶときは気を付けましょう。運搬時の重量や収納サイズが気にならないという方は、丈夫なスチール製コットが無難でオススメです。
マットの選び方
マットは選択肢がかなり広いです。迷ったら自分に合ったマットを選びましょう。
銀マットとウレタンマット
銀マットはきっとマット系で一番価格の安いマットです。厚みに対するクッション性はあまりよくないので、1cmくらいの厚さがあっても寝るとかなり固めに感じると思います。でもこの固さが逆に気に入れば安い銀マットでも十分なはずですよ。
僕が若い頃やっていたキャンプツーリングではこの銀マットばかり使っていたのですが、当時はこの固さが気に入っていました。
次にその銀マットより少し価格が高いけど、保温性、クッション性ともに銀マットよりかなり良いEVAフォーム(ポリエチレンフォーム)製マットというのがあります。この種のマットではTHERMAREST(サーマレスト)のマットレスが有名で、価格は高いのですが山登りをされる方やバックパッカーをされる方によく使われているようです。
EVAフォームのマットは、ほぼどこのメーカーの製品も折りたたみ式になっています。折りたたみ式のEVAフォーム製マットは開くだけで使えるのでとてもお手軽なところが良いですね。
僕はコストパフォーマンスの良いキャプテンスタッグ製のEVAフォームマットを使っていましたが、寝心地はかなりいいと感じました。クッション性が足りない場合はマットを2枚重ねて使うことも出来ます。表面に凹凸があり、重ねて使うとこの凹凸部分がかみあうので、ずれてしまうことはあまりないですね。
銀マット、発泡ポリエチレン/EVAフォーム製マットに共通のマイナスポイントは使っているとヘタってくることです。ウレタンマットはある程度消耗品と考え、ヘタリを感じるようになったら買い替えをする方がいいようです。その意味ではキャプテンスタッグのEVフォームマットのような、安価なものが比較的使いやすいと思います。
流行りのインフレータブルマットは万能?
インフレータブルマットは収納時は小さく、使用時はバルブを開けるだけで自動で膨らむのがメリットです。マットの中にはウレタン(スポンジ)と空気の両方が入っているので、空気だけのエアーマットに比べ寝ている時に安定感があります。
僕はこのインフレータブルマットを今もずっと使っていますが、使った後で空気を抜きながら丸めていく作業がとても面倒なのと、中に入っているウレタン自体がそれなりのボリュームがあるので嵩張るのがインフレータブルマットの弱点だと感じます。
肝心の寝心地について、僕は厚さ5cmと8cmの2種類のインフレータブルマットを持っていますが、どちらも寝心地はいいですね。
超コンパクトになるエアーベット
僕はこれまで厚みが10cmをこえるクラスののエアーマットを2種類使ってきました。このタイプのエアーマットは厚い空気層がクッションの代わりとなっているので、地面の凸凹については全く気にならなくなります。
よくエアーマットで寝るとグラグラと体が揺れて船酔いをするので気に入らないという方がいますが、空気をパンパンに入れても大丈夫なエアーマットを使うと、その揺れが気になることはまず無いと思います。固めのエアーベットは、家のベットに近い寝心地ですよ。
また空気を抜いて畳むと、おそらく一番コンパクトになるのがエアーベットです。ただし空気を大量に入れる必要があるので、マットとは別にエアーポンプを持っておかなければならない分だけ荷物が増えますが、それでもトータルではやはりコンパクトだと思います。
寝心地優先なら厚みのあるエアーベットがオススメ
というわけで、コットやマットの特徴を説明してきました。
ここで選び方のポイントをもう一度振り返ってみましょう。
- コットは夏に使うと涼しく、マットは冬に使うと断熱性が高いので暖かい。
- アルミのGIコットは使っているうちにギシギシときしむ音がする可能性がある。
- 銀マット、EVAフォームマットは使っているうちにヘタリやすい。
- インフレータブルマットの寝心地は良いが、収納が少し面倒である。
- 厚手のエアーベットなら地面の凸凹を感じることが無い。
- パンパンになるまで固く膨らませたエアーベットは揺れが少なく寝心地が良い。
最後におススメは何?
僕がマットやコットをこれまで使っていて、一番寝心地が良いと感じたのはコールマンのエクストラデュラブルエアーベッドです。このエアーベットなら、空気をパンパンに入れて固めのコンディションにすることが出来ます。
またシングルベッドサイズ(約185×97×20(h)cm)のタイプがあるので、市販の布団用の敷きマットや掛け布団、毛布などと組み合わせることが出来るため便利に使えます。
それでは、今回はこのへんで。
みなさん楽しいキャンプを!