サーカスTCを昨年12月末に購入し、それから約9か月が経ちました。まだ1年も経ってませんが、それでも寒いときも暑いときもこのサーカスTCを使ってきたので、このあたりで使って感じたことを書いてみます。
目次
テンマクデザインのサーカスTCはいろんな楽しみ方がみつかるテントですよ
サーカスTCはテンマクデザインの商品の中で一番成功したテントなんじゃないかと思います。もしサーカスTCの存在が無かったら、今のテンマクデザインがもつ強いブランド力は無かったかもしれません。
とにかくこのテントは売れに売れてます。パパーマンが今年のキャンプ場で一番よく見かけたテントがサーカスTCでした。売れる理由にはいろいろとありますが、なんと言っても素材に高価なポリコットンを使っているのに価格が約3万円とたいへんお得感がありますし、設営が楽で使い勝手がいいのです。
さらにつけ加えるとテント自体はとてもシンプルなのですが、2か所あるテント開口部のアレンジにはじまり、薪ストーブやタープなど他のキャンプ道具との組み合わせも含めて拡張性が高く工夫次第でいろんな楽しみ方がみつかるテントなのです。だから初心者からベテランキャンパーまで、幅広い層のキャンパーから支持されてきたのだと思います。
実際に楽しみ方という点では、パパーマン家のファミリーキャンプではリビングとして冬はシェルター代わりに使っていますし、コットやカンガルーテントを入れることによって少し広いソロキャンプ用のテントとしても使っています。サーカスTCをソロで使うと四畳半一間の独身寮の様な絶妙な空間になるので、たいへん落ち着きますね。(;^ω^)
というわけで、今回はサーカスTCについて語りますよ。(^^ゞ このテントにご興味のある方はぜひ最後までおつきあいくださいませ。m(__)m
現行モデルはビスロンファスナー仕様
まずはじめに断っておかなければならないのですが、パパーマンがサーカスTCを購入したあとのこと、今年(2018年)3月に仕様のマイナーチェンジがありました。それまでコイルファスナーだったのがビスロンファスナーに変更され、同時に価格が 29,800円から31,800円に少しだけ値上げされました。
現行モデルはビスロンファスナー仕様とも呼ばれ旧モデルと区別されることがありますが、大きな変更点はこのファスナー部分だけですのでテントの基本的なところは同じだと考えて今回はお話しを進めていきたいと思います。
サーカスTCの主な仕様
それでは、まず仕様から紹介します。
- 素材
本体:コットン混紡生地(TC) 撥水加工済みポリエステル65%コットン35%
裾部(スカート):ポリエステル
ポール:スチール製5本継ぎ(φ30mm/280cm) - サイズ:420×420×(H)280cm
- 総重量:(約)10,880g(本体・張り綱6,450g、ポール2,360g)
- 付属品:ポール、張り網、設営用ガイドセット、ペグ、収納袋
- 原産国:ベトナム
ポリコットン素材とは何か?
サーカスTCの大きな特長はテント生地にポリコットン(T/C)を採用していることです。パパーマンは同じ素材で作られたムササビウイングのT/C焚き火バージョンを以前から使っていたのですが、その頃からこのT/C素材を大変気に入っていました。T/Cは肌触りの良い質感はもちろん、厚手の生地なのでタープ下に濃い日影を作ることが出来るのです。だから特に暑い夏キャンプではT/C素材のありがたさを実感していました。
このポリコットンについて少し説明しておきます。ポリコットンとはその名のとおりポリエステル+コットンの意味です。ここまでは分かりやすいのですが、よく併記されているT/Cとは何かと言えばテクニカルコットンの略なのです。
表現はどちらでもいいと思いますが、ポリコットンと書いてT/Cと略されると頭の中が?となりますよね。(;^ω^) その話は置いておいてとにかくこのポリコットン(T/C)はコットンの様な風合いの良い生地にもかかわらず、ポリエステルを混ぜることで軽量で扱いやすくなっている生地のことです。
付属のペグはスチール製です。パパーマンは所有するエリステやソリステなどの鍛造ペグを使用しているので、このペグは未使用なのですが、一見すると丈夫そうなので実用に十分耐えられると思います。なお、ハンマーは付属しないので別に用意しておく必要がありますね。
便利な設営用ガイドセットの使い方
このメッシュの袋に入っているのが、「設営用ガイドセット」と呼ばれるものです。
これが優れものなんですよ。
サーカスTCは底面が正五角形になっているのですが、5本のペグを正しい位置に打つことが出来れば、あとはテントをペグにひっかけ、センターポールを立ち上げるだけでテントが形になります。
この正五角形の布きれが、その5本のペグの位置決めをする道具になるというわけ。
まずは布きれの真ん中を、1本の黒いロープの端とともにペグで地面に打ち込んでやります。
そうしたら、この様に布きれの角にロープを合わせるだけでペグの位置が決まるというわけです。ただし正確な位置決めはなかなか難しく、僕はテントを立ち上げた後でもう一度ペグをいちど抜いて打ち直すことが多いです。そうした方が間違いなく綺麗に張れます。
なのでコツとしては、はじめは軽く(浅く)ペグを打っておいて、ポールを立ち上げてからペグの位置の微調整を行った後で最後までペグを打っていくといいと思います。
僕は小川のピルツ7(すでに廃番)を使用していたのですが、ピルツシリーズにはフロアシートがついています。なので、もし土間で使用したい時は一度フロアシートを使ってペグの位置決めをしたあとで、大きなフロアシートをペグから外してやらなければならず、この作業が結構手間で、そのためだけにフロアシートを広げたくないと思っていました。
同じことを思われていた方は他にも大勢いたと思いますが、そのうちこの設営用ガイドセットと同じような道具を自作することでフロアシートを使わずにペグダウンしている方がネット上で出てきて、「あぁー、これは便利だなー。」とか当時は思っていたのですが、サーカスTCのテンマクデザインはそんなことを知っていたのか?? 初めからサーカスTCに、この「設営用ガイドセット」を付属させてきたので、これは流石だなと思いましたよ。(#^.^#)
サーカスTC設営手順
設営手順について簡単に見ていきたいと思います。
先ほどの設営用ガイドセットで5本のペグを打ち込んだあとは、本体を広げて角のベルトをペグにひっかけていきます。この時に気をつけておくのは出入り口の場所の向きをきめておくことです。サーカスTCには2箇所出入り口がありますので、どこをメインの出入り口にするか決めてからベルトをとめていかないと、あとからやり直しになっちゃいますよ。(#^.^#)
それでは幕内に入って、いよいよこの黒いスチール製のポールを使って立ち上げます。
立ち上げる前に、忘れずに一番てっぺんにある2か所のベンチレーターのつっかえ棒?を必ずセットしておいてくださいね。サーカスTCのサイズだと、立ち上げた後ではこのペンチレーターに手が届きません。(;^ω^) 実は、自分もよくこの工程を忘れてしまうことがあります。
立ち上げた後はベルトの長さを調整して、テントをピンと張ってやります。ここでペグとテントの位置があっていない箇所があれば、ペグをいったん抜いて打ち直しましょう。
最後に5本の張り綱をペグでとめれば完成です。この張り綱用のペグは出来るだけテントの近くに打った方が、テントの外観がくずれないので格好良く張れますよ。
寒い季節にサーカスTCを使ってみた
今シーズンの冬キャンプでは、写真の石油ストーブで暖をとっていました。サーカスTCのポリコットン生地は燃えにくい素材なので、ストーブを使用する時でも安心感がありますね。
暖房には石油ストーブを使った
パパーマンは韓国製のアルパカを使っていましたが、サーカスTCのサイズだと暖房としてはこれ一台でほぼ大丈夫でした。ただし石油ストーブは取り扱いが簡単で、燃料費も安いのが良いところなのですが、一酸化炭素中毒には注意が必要です。
当に不完全燃焼を起こしていると一酸化炭素の発生量が増えてきますので、うまく燃えているか時々確認しておいた方が良いと思います。
特にパパーマンの使っている韓国製のアルパカ君は市販の一酸化炭素濃度計でモニターしてみた結果、一酸化炭素が出やすい傾向があることがわかりました。石油ストーブはやはり信頼のできる日本製が安心だと思うこの頃です。( `ー´)ノ
それにしてもサーカスTCを使っていると、やはり薪ストーブが欲しくなりますねー。(;^ω^) 三角形のワンポールテントと、その頂上から飛び出した薪ストーブの煙突から出る煙の組み合わせは良く似合います。でも薪ストーブは来シーズンかな。
その時はテンマクデザインの、このウッドストーブが欲しいですね。(笑)
tent-Mark DESIGNS ウッドストーブ
薪ストーブをインストール
ウッドストーブが欲しいなんて書いていましたが、やはりこの記事をはじめに書いた1年後にテンマクデザインのウッドストーブサイドヴューMを買ってしまいました。薪ストーブはやはりソロキャンプのロマンですから。
薪ストーブの良いところは暖かいのはもちろんですが、テントに籠っているのにもかかわらず焚火を楽める感覚にあると思います。
この薪ストーブをインストールするとき、サーカスTCはありがたいことにダブルファスナーを採用していので煙突ポート(貫通穴)が無くても、上部ファスナーを開けることで煙突を外すことが出来ます。シンプルなテントなのに、こういうところはよく考えられていますね。
このウッドストーブサイドヴューMについては次の記事で詳しく書いていますので、ご参考まで。
冬にはスカートつきのテントがありがたい
冬のキャンプ場で一番よく見かけるテントが、このサーカスTCです。どちらかといえば夏よりも冬のキャンプ場の方が人気の高さが分かりやすいですね。冬に人気のあるテントだけあって、サーカスTCにはスカートがついています。スカートは冷たい隙間風がテントに入ってくるのを防いでくれるので冬にありがたい装備です。
このスカートの材質はポリコットンではなくポリエステルになっているで地面の泥で汚れにくくなっています。このあたりはよく考えられて作られていると感心します。
冬場はキャンプ場に虫がいないので、コットの上に寝袋のシンプルなスタイルで寝ていました。寝袋は主にモンベルのバロウバッグ#0を使っていました。平地でのキャンプばかりだったので、これだけで防寒対策は十分でした。
サーカスTCは冬に結露するか?
サーカスTCにはインナーテントが無いので、テント内に結露が生じないか気にされている方もいらっしゃるかもしれません。実際に使ってみるとナイロン生地のテントのように結露して、テントの上の方からポツポツと水滴が落ちてくるような状況になったことはありませんでした。
ポリコットンは吸湿性があるので、結露をすると生地が水を吸ってしまうようですね。だから幕に水滴は出来ず生地が湿っぽくなるだけです。もちろんそんな時は撤収前にテントを乾燥させる必要がありますが、それ以外に結露で困ることはありませんでした。
総じて冬キャンプではスカートつきのテントであることや、結露しにくいポリコットン素材を使っていることで、とても使いやすいテントだと感じました。
暑い季節にサーカスTCを使ってみた
冬が過ぎて春がやってくると、虫も増えてくるので次第にコットだけで寝るのは厳しくなってきました。そこで寝るときは小型テントをサーカスTCの中に入れ、いわゆるカンガルースタイルにすることにしました。
全面メッシュの小型テントでカンガルースタイル
使用したテントは価格の安い”Terra hiker”というメーカーのテントでしたが、インナー上部が全面メッシュになっていて風通しがとてもよく、夜はとても過ごしやすかったですね。
このTerra hikerのテントの紹介記事はこちらです。
暑くなってくると、とにかく風通しを良くして使っていました。サーカスTCにはメッシュが無いので、入り口部分を開ければ直に風が入ってきます。ですのでテント内にいるときは蚊取り線香やどこでもベープなどで虫除け対策をしていました。
夏の昼間をいかに快適に過ごすか?
夜はまだいいのですが、初夏になると昼間の暑さがだんだんこたえるようになりました。サーカスTCのポリコットン生地は遮光性が高いのが特長です。そこで下の写真の様にテントの入り口部分の生地をタープポールで固定して、日よけにして使ったりしていました。
ちょうどこのチェアに座ると日影に入るようになっています。ただ日影を作るという意味では、このあたりで限界を感じました。
もう一つ、風を通すことで暑さをしのぐことも出来ます。サーカスTCには出入口が2か所あるので、同時にあけてやれば風が通りやすくなります。もしよく訪れるキャンプ場で、ある程度テントを張る時に風の向きを想定できれば、効果的な方法だと思います。
というわけでサーカスTCは6月末まで使用していましたが、今年の猛暑日が続く7月の過酷な環境下ではどうしても使う気がおきず、暑さに負けてしまいました。(+_+)
やはり本格的な夏の暑さ対策としては、装備にオープンタープをプラスしてやる必要がありますね。日中はタープの下で涼むしかありません。まぁ、どんなテントでも夏の昼間にテント内で過ごすのは無理がありますから、これは仕方のないことだと言っても良いと思います。
サーカスTCのセンターポールに金物等を取り付けてやることで、タープと連結することが出来ます。パパーマンはテンマクデザインのムササビウイングやコットンソロレクタの様なソロ用の小型タープを持っているので連結したいところですが、今シーズンは試せませんでした。
来シーズンこそは、タープ連結に取り組みたいですね。
ここまでサーカスTCを使ってきたまとめ
テンマクデザインのサーカスTCを使ってみて思ったことを書いてきましたが、いかがでしたか?
シンプルだけど、ユーザーのアイデア次第でけっこう楽しめるテントだということが伝わったでしょうか。
サーカスTCのメリット
最後に、これまでサーカスTCについて思ったことをまとめておきますね。
- テント素材にポリコットンを使っているのに価格が31,800円とお得感がある。
- ファミリーキャンプのシェルターとして使える。
- ソロキャンプで寝泊まりするテントとしてちょうどいいサイズ。
- 設営用ガイドセットが付属するなど設営時間短縮の工夫がある。
- ポリコットンは燃えにくい素材なので火器を使用しても安心感がある。
- 冬の冷たい風の侵入をスカートがさえぎってくれる。
- 夏には遮光性が高いポリコットンが濃い影を作ってくれる。
- 暑い季節には出入口を大きく開けて風通しを良くできる。
- オープンタープとの連結が出来る(これはまだ試してない)。
以上のように、テンマクデザインのサーカスTCはとても懐が広いテントですよ。ユーザーも多いので、その分だけ使い方のアイデアが豊富に存在します。
今後は夏キャンプでタープを連結させたり、冬キャンプでは薪ストーブなんかを是非試してみたいですね。(*^-^*)
まとめ
最後にこのテンマクデザインのサーカスTCですが、
シンプルなソロキャンプを楽しみたい方や、キャンプで焚火を楽しみたい方にとてもオススメのテントです。
それでは、今回はこのへんで。
楽しいキャンプライフを!