長野の高ソメキャンプ場で3泊四日のソロキャンプを楽しむ 後編
獣の気配を感じる森の中で一人

今回のお話は3泊四日のソロキャンプの3日目の朝から始まります。

僕は上高地の景色がとても好きで毎年のようにトレッキングをしているのですが、今回もこの高ソメキャンプ場をベースキャンプにして上高地へ向かいます。

岐阜県側から上高地へアクセスするときは平湯キャンプ場をベースにすると便利なのですが、長野県側だとやっぱり高ソメですね。

高ソメキャンプ場からは沢渡(さわんど)駐車場まで車で30分くらい。

上高地はマイカー規制があるので、そこから上高地行きのバスに乗り換えます。

さて、それでは長野の高ソメキャンプ場で3泊四日のソロキャンプを楽しむ 後編のはじまりです。

最後までごゆっくりとどうぞ。

神秘的な大正池

前回の記事「長野の高ソメキャンプ場で3泊四日のソロキャンプを楽しむ 前編」の続きです。

長野県松本市奈川にある高ソメキャンプ場でのソロキャンプ 2022年7月18日(月)の朝。

昨日は一日中、ジムニーで長い峠道を走って疲れていたせいか、ぐっすりと寝ていたようです。

朝起きると周りのキャンパーさんが、朝食を食べたり身支度をする人の活動の気配であふれていました。

雨は上がりましたが、空はあいにくの曇り空。

それでも天気予報によると、なんとか天気はもってくれそうです。

それでは上高地へGO!

今日はソロトレッキングなので、じっくりと自然を観察しながらマイペースで歩いていこうと思っています。

大正池バス停でバスを降り、湖畔までやってきました。

目の前には湖面に広がる朝もやが神秘的な大正池の風景。

少しでも風が吹くと、スーッと流されてこの白いもやは遠くへいってしまうのですよね。

朝もやの大正池

もやが無くなるまで大正池の畔に立って眺めていました。

やっぱり気温の低い朝の風景は良いですね。

朝もや

池から河童橋に向けて移動します。

はじめに見つけたのがヤマオダマキの可憐な花。

花1

この植物の名前は良く分からなかったけど、宝石のように光っていました。

花2

湿地帯を歩きます。

光影

ここから梓川です。

休んでいると上流から白いもやが流れてきました。

これは天然のミストシャワーです。

もやに包まれた一瞬が涼しい。

梓川の朝

三連休の最終日なので、人も多いですね。

大正池の人

緑の豊かな田代池へ

小川の近くにクガイソウが咲いていました。

薄い紫色のグラデーションが綺麗な花です。

花3

田代池に到着。

オオカメノキの赤い実。

この赤い実もよく見かけました。

花4

これはクルマユリです。

赤い花はあまり見かけないので珍しいです。

ユリ

トモエソウ。

巴形の花。

ほら、花が船のスクリューの様なうずまきの形をしていますね。

花5

河童橋までたっぷりと自然観察を愉しむ

これは葉巻虫(ハマキムシ)ですね。

うちの庭でもよく見かけます。

葉っぱ

田代池から先へどんどん歩きますよ。

それにしても涼しくて今日は快適です。

ハイキング道

こういったコケムシた感じの木も綺麗ですね。

何枚も写真を撮っていました。

土にかえる

ウツボソウにロケット蝶(セセリチョウ)がとまっていました。

このロケット蝶は僕が近づいても逃げないので、写真をたくさん撮りました。

ウツボグサは魚のウツボではなくて、靫(ウツボ)(武士が矢を入れて持ち歩いた筒)に似ているからだそうです。

ロケット蝶

この蝶はコミスジ。

蝶は動くので写真に撮るのがたいへん。

蝶

この赤紫色の花は上高地を歩いていると良く見かけます。

ヤマホタルブクロの花です。

ヤマホタルブクロ

ヨツバヒヨドリの花が咲く前です。

ギザギザの葉っぱと、チクチクと尖がった蕾の見た目が怪獣みたいで面白い。

花6

すっごい大きなとげのある草を発見。

珍しかったので撮りましたが、名前は知れず。

とげとげの葉っぱ

雨上がりの景色は綺麗です。

濡れた葉っぱ

河童橋から岳沢湿原へ

河童橋に到着しました。

穂高の山はやはり雲に覆われていました。

穂高は曇り

雨がポツポツやってきたので、とりあえずここでお昼ごはんにします。

カツカレーです。

カツカレー

しばらく休憩のあと河童橋を出発し、岳沢湿原に到着。

今日は生憎の空で景色は今一つでしたが、逆に足下の植物や昆虫の写真を撮るのにはとても良い天気だったと思います。

ここから上高地バスターミナルまで戻り、再びバスに乗りました。

バスが動き始めると、雨がザーと降ってきました。

沼

不思議なロケット蝶

高ソメキャンプ場に戻ると、小腹が空いたので大好物のゆで卵を制作。

全て平らげて、とりあえずお腹の虫はおさまってくれました。

ゆで玉子

ロケット蝶って、人が近づくとロケットの様に猛スピードで飛んでいってしまう印象があります。

でも、下の写真のロケット蝶は洗い場で食器を洗っている時に僕の手にとまると、それから洗い物が終わってテントまで、ずっと手にとまったままついてきたのです。

テント近くでパワー森林香を焚いていたので煙を吸って苦しかったのか、いったん手から飛び立ってジムニーの周りをぐるぐる飛んでいましたが、しばらくしてまた戻ってきました。

もしかしてご先祖様が蝶の上に乗ってやってきているのでしょうか?

僕は昆虫も個体ごとに性格とか、好みのようなモノがあると思っているのですが、誰かそれを科学的に証明できないですかね。

なついた蝶

鵺(ぬえ)の鳴く夜と闇夜の足音

そろそろ日が暮れようとしています。

今日は3連休最終日の夜ですから、朝までほぼ満員状態だったキャンプ場も、今はもう人はほとんど残っていないわけです。

この時間帯になってふと気づいたのですが、山奥のほうから「キィィィー」という錆びたブランコを漕ぐ音が繰り返し聞こえてくるではありませんか。

 

「キィィィー」

・・・・・・・

・・・・・・・

「キィィィー」

その金属音は永遠に続きます。

「あれ、山奥にブランコなんてあるのだろうか。」

「こんな時間に誰がブランコを漕いでいるのだろう。」

この異様な音を初めて聞いた方は、きっとこのキャンプの夜は恐怖を感じ、朝がくるまで寝れないかもしれません。

いや、でも大丈夫ですよ。

正しい知識があればこんなのは怖くないのです。

実はこの金属音の正体は、ブランコなどではなく、昔から伝わる鵺「ぬえ」という妖怪の仕業ですから。

「鵺の鳴く夜は恐ろしい」という、横溝正史原作の「悪霊島」という映画のキャッチコピーを知っていますか。

50代以上の方なら、きっとこの角川映画を覚えているのではないでしょうか。

「悪霊島」のビデオ

ところで、その昔僕はこの鵺の正体を本当に見たことがあります。

もし鵺の正体をみたければぜひ参考記事をお読みください。

そしてこの鵺の声を聞いたことが無ければ、一度聞いておくともしキャンプ場で出会っても怖がらずに済みますよ。

下の記事の中に鵺の鳴き声の動画をはりつけています。

幽霊の正体見たり枯れ尾花ですな。

点灯

それから夕ご飯を食べ、焚き火などしながらずっとタープの下でくつろいでいました。

今夜は人がいなくなったせいか、テントの近くでケモノの様な気配を感じます。

マヨチキ

僕が使っているテンマクデザインのホットサンドイッチメーカー2の紹介記事はこちら。

よくある2分割構造のホットサンドメーカーですが、ボトム側のパーツの深さが2種類あって、こういう素材の厚みによって切り替えられるので便利ですよ。

今日も歩いてつかれたので、少し早めにテントに入ることに。

消灯してからテントに潜りしばらくすると、サイトの前の道を下の方からゆっくりと上ってくる「ザクッ、ザクッ」という足音が聞こえてきました。

僕がテントを張っているところは道が行き止まりになっているので、僕個人に用がない限り誰かがやってくることは無いはずです。

「ん、なんだ?」

そしてその足音は、僕のテントの真横でとまったのです。

最後の夜

しばらく僕はテントの中でジッと息をひそめ、外の様子に集中していました。

足音の主はテントの横でこっちを見ている様な感じで、同じ場所にとどまりながら、少し行ったり来たりする足音が聞こえてきます。

その昔、人のいないキャンプ場で、テントの周りを複数の足音がグルグルと回って金縛りになった記憶がよみがえってきました。

だからこういう時は自分から動いた方が良いと思い。

手元に置いていた懐中電灯を握るとインナーテントのファスナーを開けてその手を外に出し、フラッシュ点灯させてその足音の方を威嚇しました。

すると足音と気配はそこから完全に消え、その後もずっと聞こえなくなりました。

それからあの足音の正体は一体何だったのだろう?と考えていたのですが、やがて雨がポツポツと降り始め周りの気配を完全に消し去ると、それから朝まですっかり寝てしまっていたようです。

火曜日の雨撤収!

2022年7月19日(火)の朝。

昨夜から降り始めた雨は朝になってもやまず、ずっと降り続けていました。

天気予報では今日は一日中雨降りのようです。

明日は晴れなので撤収が面倒くさいからもう一泊しようかと思いましたが、雨の中で一日をすごすのも嫌なのでやはり今日は撤収することに。

チェックアウトは12:00、時間はまだたっぷりあります。

朝もテントの周りで鳥や動物が騒いでいるような声が聞こえてきます。

そんな中、クーラーボックスの中には食材がまだ残っていたので、朝からお好み焼きを作ってまずは腹ごしらえ。

それから覚悟を決め、重いカッパを着て雨の中の撤収作業をはじめました。

結局撤収が終わったのは、ちょうど12:00。

さて、今回もそろそろ家路につきます。

お好み焼き

今回も、このキャンプ日記を最後までお読みいただきありがとうございました。

雨にもたっぷり降られたけど、美ヶ原高原と上高地を歩くことが出来てとても充実したキャンプ&旅でした、

長野のキャンプ場は少し遠いけど、自然の多い魅力的なところが多いですね。

この高ソメキャンプ場は、あっくんが小さい頃にファミリーキャンプで何回か利用したことがある思い出のキャンプ場でもあります。

最後にまたいつか家族で訪れてみたいなと思いながら、

今回はこのへんで筆を置こう思います。

それではまたどこかのキャンプ地でお会いしましょう。

長野の高ソメキャンプ場で3泊四日のソロキャンプを楽しむ 前編」に戻る。

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