こんにちは、焚き火マニアのochanです。
今回はTOKYO CRAFTSの焚き火台マクライト(MAKULITE)を徹底レビューします。
このマクライトをはじめて見た時、よく見かけるピコグリルに似た焚き火台(パチグリル)のひとつだと思って僕は気にもとめていませんでした。(これはTOKYO CRAFTSさんに怒られますな。)
軽量な組立式のピコグリルとは少しだけ見た目の違うパチグリルが以前から市場にあふれていたので、その時も「あぁ、またかぁ~。」といった感じだったのです。
ところがある時、このマクライトの紹介動画(ちぬ子さんのYoutube)を偶然見た僕は、「あれ、これいいじゃん!」と考えを改めました。
それまでパチグリルだと思っていたことが間違いだったと気づいたのです。
はじめから話が少し脇道にソレてしまいましたね(笑)
このマクライトの優れたポイントをまとめると次のようになります。
- 軽量・コンパクト
- 大きな薪をそのまま燃やせる炉床サイズ
- 自由な方向に薪をくべることが可能
- 調理のしやすいゴトクつき
- ゴトク高さが2段階に変えられる
- 耐久性のあるSUS304を採用
そしてこのマクライト(MAKULITE)に対する僕の評価は次の通り。
マクライトは軽量でコンパクトな焚き火台にもかかわらず、火床が大きく薪を自由な方向にくべることが可能なため、燃焼をコントロールするという楽しさに加え、しっかりとしたゴトクによる調理の実用性、機能的なデザイン性まで備えるとても優れた焚き火台です。」
この記事ではこのマクライトの購入を検討されている方のために、マクライトの魅力を詳しく紹介しながら一番知りたい”マクライトは良い焚き火なのか?”というテーマについて深く掘り下げていくことで、この焚き火台を徹底的にレビューしていこうと思います。
それでは最後までごゆっくりとどうぞ。
これからもガシガシ使っていって、マクライトの長期レビューもしていきたいと思っています。
TOKYO CRAFTS マクライトの3つの特長を紹介
はじめにマクライトの代表的な3つの特長からみていきましょう。
1.マクライトは軽量でコンパクト
マクライトはUL(ウルトラライト)ユーザーの使用を前提に作られた軽量でコンパクトな焚き火台。
ゆえにマクライトの重量は本体とゴトクだけでわずか929g(ただし収納ケースを除く。)と、市販の薪を縦横に置くことが出来るサイズの焚き火台として最軽量級です。
また収納サイズがコンパクトなので、オートキャンパーにとっても荷室を圧迫することのないありがたい焚き火台です。
厚さがたったの2.5cmしかないので、これなら車に荷物を積載した時にできるちょっとしたスキマに突っこめますね。
マクライトがいかに軽量でコンパクトな焚き火台かを確認するため、マクライトと他有名メーカーの焚き火台(ただしマクライトと同様に薪をそのまま縦横に置くことが出来る焼面サイズのタイプ)の重量と収納サイズを比較します。
メーカー | 名称 | 重量 | 収納サイズ |
TOKYO CRAFTS | マクライト | 929g | W21×D40×H2.5cm |
コールマン | ファイアーディスク | 約1.6kg | φ46×H8.5cm |
ユニフレーム | ファイアグリル | 約2.7kg | W38×D38×H7cm |
ロゴス | ピラミッドTAKIBI L | 約3.1kg | W42×D26.5×H7.5cm |
スノーピーク | 焚き火台L | 約5.5kg | W56×D64.5×H3.2cm |
この表よりマクライトは老舗アウトドアメーカーの焚き火台にくらべ圧倒的に軽量&コンパクトだということが分かります。
また、マクライトはこの表にある焚き火台と同様に、ソロキャンプだけではなくグループやファミリーキャンプでも使えるサイズであることに驚きます。
2.大きな薪をそのまま燃やせる炉床サイズ
マクライトは市販の薪を縦・横どちらの方向にもそのまま入れられるので、薪をくべる自由度がとても高いのが特長。
ここが同じ方向にしか薪を入れられないピコグリルタイプの焚き火台との大きな違いです。
この違いを確かめるために、マクライトにホームセンターで購入した市販の薪(長さ37cm)を入れてみました。
①薪を横方向に置いた場合
35.5cmの火床幅に対し約1cm左右に薪がはみ出ることになりますが、この状態で焚き火をしても薪が焚き火台の端から落ちてしまうことはないので問題はなさそうです。
➁薪を縦方向に置いた場合
この方向ではサイドパネルの中央で間隔が30.5cmになるので、薪の片側がサイドパネルの上に載るようになります。
このまま薪を最後まで燃やすと焚き火台からはみ出した部分が地面へ焼け落ちることもあるかもしれませんが、焚き火の時に様子を見ながら手を入れてやれば大丈夫です。
➂薪を斜め方向に置いた場合
では完全に焚き火台に薪をおさめる方法は無いかというと、下の写真の様に斜めに置けば問題なく入ります。
「次は薪を、たて、横、斜めのどの向きに入れたらよいか?」
薪が燃える状況を見ながら判断し適切に投入できるマクライトは、他の大型焚き火台と変わらない火を操る楽しさを感じることが出来る焚火台なのです。
3.マクライトは調理がしやすい
マクライトに付属のゴトクは調理のシチュエーションによって設置高さを2通りに使い分けることにより、適切な火加減に調整することが可能です。
ゴトクを設置する高さは、
- 付属のスタンドの上にのせるパターン
- サイドパネルの上にのせるパターン
の2通りに設定できますので、次に説明します。
①付属スタンドにのせる
主に①付属のスタンドの上にのせる時は、薪を燃やしながら調理をする場合になります。
火力が強い時は、少し火から離れたこの位置に鍋やケトルを置くことによって火力を調整することが可能になります。
➁風防パネルの上にのせる
①付属スタンドに載せた時よりも➁風防パネルの上にのせた時の方が調理器具は火により近づきます。
ですので、熾火や炭火で調理をする場合は主にゴトクを➁風防パネルの上にのせると良いでしょう。
このようにマクライトは火力に応じてゴトクの高さを変えられるため、調理がとてもしやすい焚き火台です。
マクライトの仕様を細部まで紹介
ここからマクライトの仕様を中心に紹介していきます。
主な製品スペック
マクライトの主なスペックは下表の通りです。
組立サイズ(ゴトク除く) | W36×D40×H32cm |
収納サイズ(収納ケース除く) | W21×D40×H2.5cm |
重量 | 本体:794g / ゴトク:135g |
材質 | 本体、ゴトク:ステンレス(SUS304) 収納ケース:ポリエステル |
耐荷重 | ゴトク(スタンド設置):7kg ゴトク(側面パネル設置):7kg 火床:15kg |
生産国 | 中国 |
セット内容 | 本体、ゴトク、収納ケース |
下の写真は、マクライトが梱包されている箱です。
さっそく開梱してみましょう。
TOKYO CRAFTSについて
今回レビューする焚き火台「マクライト」を作っているTOKYO CRAFTSさんの紹介です。
TOKYO CRAFTSはYoutubeでキャンプ道具の紹介や、キャンパーへの突撃インタビュー動画を制作しているタナちゃんねるのタナさんがプロデュースしているアウトドアブランドです。
ブランドコンセプトは「言語化できない満足感」ということで、その製品を使っているときの楽しさ、嬉しさ、感激、充実感など、ユーザーの気持ちや湧き上がってくる感情をきっと大事にしているブランドなのだと僕は思います。
TOKYO CRAFTSがリリースする焚き火台として、今回ご紹介するマクライトはナナメに薪をくべる”KUBERU”という独創的な焚き火台に継ぐ2つめの焚き火台です。
同ブランドでは、このほかカトラリーやシェラカップ、アウトドアスパイスなどの製品を販売していますよ。
タナちゃんねるのブログ
TOKYO CRAFTSの公式サイト
マクライトの箱を開けると、火床×1、風防パネル×2、ゴトク×1、収納ケースと取扱説明書が入っています。
ステンレス製の焚き火台なので、焚き火をする前に触るときは指紋をつけないように(熱を受けると指紋の焼き印がついてしまいます)注意しましょう。
マクライトの組み立て方
それではマクライトの組立て方をご紹介します。
パーツは風防パネル×2枚、火床×1枚の3つだけなので組み立てがとても簡単ですよ。
それではさっそく組み立てていきましょう。
1.火床に風防パネルを取り付ける
はじめに火床側の端部四隅にあるフレーム先端を、風防パネル側の両端にある穴に差し込みます。
風防パネル1枚につき、差し込む穴は2箇所です。
2.風防パネルを押して反らす
1の後、そのまま風防パネルを外から手で押し込むと内側にパネルが反りかえり、このときに火床の端部が風防パネル側のスリットに入るようにしてやると、しっかりと固定されます。
なお、1と2の行程は1枚の風防パネルにつき連続して行ったほうが効率的です。
3.反対側の風防パネルも同様に取り付ける
続いて反対の風防パネルについても、同様に1と2の行程により火床と固定すれば組み立てが完了となります。
風防パネルの板のバネの力を使って固定するのが素晴らしいアイデアですね。
はじめは取り扱い説明書を読まなかったので手こずりましたが、手順を覚えてしまった2回目以降は1分もあれば余裕で組み立てられるようになりました。
錆びに強いステンレスSUS304を採用
マクライトにはSUS304ステンレス鋼が使われています。
SUS304はオーステナイト系ステンレスで、フェライト系やマルテンサイト系ステンレスと比べて耐熱性、耐食性に優れているという特長があり、焚火台にはぴったりの素材です。
実は有名メーカーの焚き火台で仕様に「ステンレス鋼」と記載がある場合、オーステナイト系ステンレスを使用しているわけではありません。(もちろん”ステンレス”という表記に間違いはないので悪いことでないのですが。)
そういう意味で、マクライトは”SUSU304”としっかり表記していて良心的ですね。
ちなみにオーステナイト系ステンレスには磁石にはつかないという特徴があるので、試しにマクライトに磁石を近づけてみましたがやはりつきませんでした。
下の写真はとある有名メーカーの焚き火台。しっかりと磁石がつきます。
ゴトクのずれ&落下防止の工夫
調理中にゴトクがズレにくいよう、本体スタンドにはミゾが入っています。
また、スタンドの端部とゴトクにそれぞれストッパーがありゴトクが落下するのをふせぐように考えられています。
細かい配慮ですが、こういうのは有難いですね。
組み立てると丈夫な焚火台
マクライトはペラペラの薄い板を組み合わせて作られた焚き火台なので、強度が十分か気になる方もいるかもしれません。
スタンドに載せたゴトクの耐荷重がスペックでは7kgということなので、試しにゴトクの上に薪を一束(およそ6-7kg程度)載せてみました。
この状態で焚き火台を横からゆすってみましたが崩れそうな気配は全くなく、かなりしっかりとしている印象を受けました。
見た目によらずとても丈夫なので、これなら重い調理器具を載せても安心して調理が出来そうです。
ではゴトクの耐荷重7kgというのは、いったいどの程度なのでしょう?
ファミリーキャンプなどで使う、重いダッチオーブンをこの五徳に載せることを考えてみます。
ゴトクの耐荷重はスタンド、側面パネルのどちらに設置しても7kgですので、8インチのダッチオーブンまでなら問題ありませんが、10インチダッチオーブン使用時は食材の重さまで考慮すると少し厳しそうです。
12インチになるとダッチオーブン本体だけで耐荷重オーバーとなります。
サイズ | ユニフレーム UFダッチオーブン |
コールマン ダッチオーブンSF |
8インチ | 約4.2kg〇 | 約3.5kg〇 |
10インチ | 約5.8kg△ | 約6kg△ |
12インチ | 約8.8kg× | 約10kg× |
8インチはダッチオーブンとしては最小クラスですが、デュオキャンプなら対応できるサイズ。
このサイズなら問題なく使えそうです。
この軽量な焚き火台のゴトクに8インチのダッチオーブンが載せられるのは快挙ではないかと思いますが、いかがでしょうか。
付属のゴトクを使わず、ダッチオーブンを火床の上に直接載せてやれば良いですよ。
マクライトを実際にソロキャンプで使ってみた
それでは、実際に僕がソロキャンプでマクライトを使ってみて感じたことをお話します。
まず焚き火台の向きについて考えた
マクライトをはじめて目の前にした時、どちらの向きにして使えばいいかきっと誰もが一度は悩むと思います。
みなさんなら、①たて置き、➁よこ置きのどちらを選びますか?
ピコグリルと違い、マクライトは火床の形状が正方形に近いので一見しただけではどちらの向きでも変わらない気もしますが。
最後は好みによると思いますが、僕は①たて置き(風防パネルがついている面を前後方向)にして使っています。
その理由は次の4つです。
- ②よこ置きの場合、火吹き棒やトングを使って火を調整するときにスタンドが邪魔と感じるので×
- ①たて置きは火吹き棒で吹いた時に風防パネルが灰の飛散をある程度止めてくれるので〇
- ①たて置きは薪が爆ぜた時に手前の風防パネルがある程度火の粉を止めてくれるので〇
- ➁よこ置きは薪の上に中華鍋を置いて調理したい時、スタンドが邪魔で鍋を振ることが出来ないので×
の4点です。
4番目の中華鍋の話は下の写真を参照してください。
よこ横置きだとスタンドの間に中華鍋を通すことになってしまいます。
これだと、いつかスタンドに中華鍋をあててひっくり返しそうですよね(;^ω^)
よろしければ参考にしてください。
消し炭を使って着火
それではいよいよマクライトで焚き火をしましょう。
前回のキャンプの消し炭を使って着火すること、そして薪割りをしないことの2点が僕の着火の流儀ですので、今回もこの手順で進めています。
まず火消し壺にある消し炭をマクライトの上にのせ、ガストーチで着火します。
最近はロストルの目が大きくて消し炭をのせるとロストルの下に落ちてしまう焚き火台も増えているので、この着火方法がうまくいかないこともしばしばあります。
マクライトは熾火が火床の真ん中にたまるように設計されているので、こうした消し炭の利用には好都合です。
消し炭に火がつきましたので、薪を入れていきましょう。
消し炭の火力は強いので、薪を割らずに炭の上にのせファイヤーブラスターで空気を吹き込むだけで簡単に薪に火がつきました。
焚き火台を使う向きにもよりますがマクライトは奥に風防パネルがあるので、ファイヤーブラスターなどで空気を強く吹くことで灰や小さな炭が飛んだとしても焚火台の奥側の地面には落ちにくいのが良いですね。
太い薪も燃える
マクライトへは2本ずつ薪をクロスさせながら投入し、燃やしていきました。
薪は早く燃えすぎることも無く、ときどき煙がふえた時にファイヤーブラスターで空気を送ってやるだけで、あとは順調に燃えてくれます。
火床には傾斜がついていてセンターラインに熾火が集まる形状になっているのですが、焚き火をはじめてしばらくたてばここに熾火がたまってきます。
熾火が出来ると燃焼状態がさらに安定してきます。
この時も太い薪をそのままマクライトにくべていましたが、常に2本ずつ燃やすようにすれば鎮火したり燃え残ったりすることなく、最後まで燃え尽きました。
直火で調理をしてみた
僕はキャンプの時はいつも焚き火を使って調理をしているので、マクライトを調理に使うとどんな感じなのかとても気になっていました。
というのも、マクライトを使う楽しみの一つは焚き火による調理にあると、その形状を見て勝手に思っていましたので。
そこで今回は鍋を作ってみることにしました。
いつもソロキャンプでは焚き火台にトライポッドを組み合わせて鍋を吊るすことが多いのですが、マクライトはスタンドがついていてその上にゴトクを載せられるので、ここに鍋をおいて調理することにしました。
マクライトで実際に調理をする前までは、このスタンドが高すぎて火力が弱いかなと思っていたところがあったのですが、使ってみると見た目に反し調理にちょうど良い高さであることが分かりました。
こうして見ると、焚き火台、ゴトク、鍋のすべてが一体となって道具感を出していて良い雰囲気です。
マクライトはデザイン性も良いと思います。
僕はとくに風防パネルの三角の穴のデザインがけっこう好きです。
炭を使って炉端焼き
マクライトの炉床には傾斜がありますが、それほど傾斜の角度が強くないので炭を並べるのに好都合な構造になっています。
付属のゴトクを下段におき市販の網をその上にのせると、炭と網の距離が近づき炭火で炉端焼きをするのにちょうど具合の良い距離になります。
下の写真はイワタニの炉端大将の焼き網を使って焼き鳥をしています。
灰の後始末はとても簡単
キャンプの翌朝に焚き火台のあと片づけをしました。
最近の焚き火台は後始末が容易な製品が多いのですが、このマクライトもこの点はしっかりと考えられています。
風防パネルの片側を取り外し、本体を傾けて灰や炭を火消し壺にザーッと流すだけで作業が完了です。
使っていて気になったこと
マクライトは焚火台としての本質的な欠点は今のところ見つからないのですが、使っていて少し困ったと感じるところがあります。
僕がマクライトを何度もキャンプで使っている中で、気になったことをここではお話しますので参考にしてください。
灰が炉床のスリットから地面へ落ちる
下の写真はマクライトで一晩中焚き火をしたあとの焚き火シート。
炉床のスリットから灰が地面に落ちていますね。
灰を散らかさないようにするには、このように焚火台の下に焚き火シートを敷くといいと思います。
火床が地面と近い
マクライトの火床高さは低く、直火感覚で焚き火が出来るのは良いのですが、火から地面までの距離が近いことから地面が熱でダメージを受けるというデメリットがあります。
地面へのダメージ対策としては、一般的な焚火シートを敷くだけでは不十分な場合が多いです。
とくに芝サイトのキャンプ場でマクライトを使うと芝が黒く焦げてしまう恐れがあるため、焚き火台下の遮熱対策をしっかりとする必要があります。
組立・分解の時に手が汚れやすい
マクライトを使用する前後での組立・分解作業のときのことです。
マクライトの炉床パーツは、2つに折りたたんだ状態では灰やススで汚れた燃焼面が外側になっていますので、手で炉床パネルを掴んで作業をする、必ずこの汚れた面を触らなければなりません。
すると手に黒いススがついて真っ黒になってしまうのですよね。
もちろん軍手をすればいいのでしょうけど、毎回なので少し面倒だなと感じます。
ロースタイル向けの高さ
僕はコールマンのコンパクトフォールディングチェアを好んで使っています。
ロースタイルでは人気のあるこのチェアはマクライトとの相性が良く、寒い日に焚き火をしていると体全体が暖まるし、調理をする時もゴトクに載せた調理器具を扱いやすいと感じます。
もしこれが標準的な高さのチェアだと焚き火台と距離が離れてしまい、上半身まで暖まりにくいし薪をくべること自体もやり難いと思います。
そういう点では使用するチェアとの相性をあらかじめ考えた方がいいですね。
マクライトは良い焚き火台だったか?
それでは、いよいよ焚き火台マクライトの核心に迫っていきます。
良い焚き火台の条件とは
キャンプブームといわれてかなり久しい昨今ですが、今もなお次から次へと新しい焚き火台がリリースされ続けています。
昔はアウトドアメーカーしか焚き火台を作っていなかったのですが、今ではプライベートブランドや中華ブランドまでもが競って焚き火台を作る時代。
僕が4,900円でユニフレームのファイアグリルを購入した当時(今は7,500円)と比べ、ひとことで焚き火台と言ってもその種類が爆発的に増えているのです。
激しく燃える焚き火台、調理のしやすい焚き火台、煙の出にくい焚き火台、燃える炎を見て楽しむ焚き火台、軽量・コンパクト化された焚火台などなどタイプも様々。
では、数ある焚き火台の中で良い焚き火台とは一体どんな焚き火台でしょうか?
良い焚き火台とは、ある一つの特性や性能が突出して良い焚き火台ではなく、あらゆる環境や場面に対応できる能力の高い焚き火台です。
これを薪を燃やす道具としての焚き火台という観点で言い換えると、良い焚き火台とは炎をコントロールしやすいことになります。
そしてこの良い焚き火台を作るには①熾火のため方、➁空気の取り入れ方、➂薪の置き方の3つが大切な要素になります。
マクライトで焚火をしながら考えた
先にお話した良い焚き火台の3つの要素について、マクライトを使っていて感じたことを次にお話ししますね。
1.熾火がたまる炉床の構造
マクライトの火床には傾斜がついているので、その中央に熾火がたまる構造になっています。
熾火が十分あると、新しい薪をくべると熾火が残っている間はその薪を燃やそうとしてくれます。
また燃えにくい薪をくべたなら火吹き棒などで熾火に空気を送ってやれば炎が上がり、やがて薪に火をつけてくれます。
マクライトは熾火がたまる構造のため燃焼条件の悪い時も燃焼が比較的安定することに加え、薪を投入するタイミングが少しくらいルーズでも熾火がバッファになってくれることで鎮火してしまうことなく焚き火を続けることが出来るのです。
2.空気の取り入れ口
マクライトの炉床にはスリット穴があり、薪の下面から燃焼空気が取り込まれる構造になっています。
炉床の中央部に溜まる熾火の下にはスリット穴が無く空気が取り込めないようになっていますが、このスリットが無い部分と空気を取り込むスリットのある部分の割合がマクライトは絶妙です。
焚き火台の中には熾火を全くためず炉床に空気を取り入れる大きなメッシュしかないものもあるのですが、これだと大量の空気を取り込めるので薪は確かに良く燃えてくれます。
このような焚き火台は大きな火力を作るには向いているのですが、火力のコントロールに関しては逆に難しい面があります。
マクライトは炉床に熾火をためながらスリットから一定の空気を取り込めるので、火力をコントロールしやすい焚き火台だと言えます。
3.薪の置き方に自由度がある
焚き火をする時、薪の周囲に新鮮な燃焼空気を送り込むことが重要ですが、これは焚き火台の構造だけで達成できるものではありません。
他にも薪を適切に置いて空気の通り道を作ってやることも大切です。
マクライトは火床サイズが大きいため薪を入れる自由度が高く、最適な空気の通り道を作るために縦・横・斜めに薪を配置することが可能です。
そしてもう一つ秀逸なのが風防パネルの存在。
風防パネルが火床より一段高いため、ここに薪の端を載せることで薪と薪との間に容易にスキマを作ることが出来るのは有難いです。
以上、熾火がたまる炉床構造、空気の取入方法、自由度のある薪の置き方という3つの要素により、マクライトは火力のコントロールが非常にしやすいため良い焚き火台であると思います。
マクライトの徹底レビュー
ここでは、これまでご紹介してきたマクライトを徹底的にレビューします。
以下の表は各メーカーの焚き火台を使い続けた管理人による独断と偏見のマクライトレビュー結果です。
1.持ち運びしやすさ |
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2.火力調整のしやすさ |
|
3.調理のしやすさ |
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4.燃えやすさ |
|
5.耐久性 |
|
レビュー結果を解説します。
- 持ち運びしやすさ(星4.5)
軽量コンパクトな焚き火台としてはピコグリル系焚き火台の方が上なので星4.5としました。 - 火力調整のしやすさ(星5)
火床への熾火のため方、空気の入れ方、薪の置き方の3点が特に優れているので星5としました。 - 調理のしやすさ(星3.5)
炎との距離を2段階に切り替えられるので使いやすい焚き火台です。
ただし調理向けのユニフレーム/薪グリル等にくらべ五徳の安定性に劣るため星3.5としました。
- 燃えやすさ(星4)
ロゴスのピラミッドTAKIBIのように激しく燃えるわけではありませんが、燃料を多めに入れてうまく燃やせば火力はそれなりに強くなりますので星4としました、 - 耐久性(星3.5)
耐食性、耐熱性のあるSUS304を使用しているので耐久性は期待できます。
一方まだ数回しか使っていませんが、部品に若干のひずみ(組立に影響のない程度)が出ているため星3.5としました。
もう少し長期的に様子を見ていく必要がありそうです。
マクライトの使用が向いている方
購入時のご参考に、今回ご紹介してきたマクライトの使用が向いているケースをあげます。
- 使い易い焚き火台が欲しい方
マクライトの一番の特長は火力をコントロールしやすいこと。
調理もそれなりにこなせますのでとても使い易い焚き火台です。
そういう意味で1台めの焚き火台としても良いと思います。 - 軽量・コンパクトな焚き火台が欲しい方
徒歩や自転車、オートバイで移動されるキャンパーさんには軽量・コンパクトなマクライトが使い易いはずです。
コンパクトに収納できるサイズながら、薪の入れ方の自由度が高いマクライトは貴重な存在です。 - ソロサイズの焚き火台の購入をお考えの方
ソロキャンプ用の焚き火台としてアウトドアメーカー各社よりファイアグリルソロ、ファイアーディスクソロのような小型サイズの焚き火台が出ていますが、薪のサイズより焚き火台が小さく使いにくい弱点があります。
そのような一般的なソロ焚き火台より小型軽量で、使用時は市販の薪をそのままくべることが出来るマクライトの方が断然使い易いはずです。
2024年最新版モデルはマクライト2
この記事で紹介しているマクライトはマクライト2として生まれ変わりました。
主な変更点はゴトクの高さが2段階に調節できるようになったこと。
および焚火に専念したいときはゴトク自体を取り外して使用できるようになったことです。
そのほか、基本的な仕様に変更はありません。
マクライトまとめ
以上、記事の前半でマクライトの魅力について紹介し、後半はマクライトは良い焚き火なのか?というテーマで掘り下げてきましたが、みなさんいかがでしたでしょうか。
今回ご紹介したマクライトは、焚き火マニアの僕も忖度なしにオススメできる焚き火台です。
2024年現在の最新版はマイナーチェンジされたマクライト2になります。
それでは、今回はこのへんで。
みなさん楽しいキャンプを!