2019年10月22日(火)の夕方、近所の公園に野鳥を探しに出かけました。
最近は野鳥観察の記事をあまりUP出来ていません。これは公園に来る頻度が昨年より減ったこともありますが、今年は訪れてもなかなか鳥が見つからないのです。
そんなスランプの中、久しぶりに見つけたのが写真のオスのモズ。
モズは小さい体ながら猛禽なので、昆虫やトカゲなどの小動物を襲って食べる鳥です。モズを観察していると、写真のように地面から1mくらいの場所にとまり地面にいるバッタなどの昆虫を探して捕まえるところを良く見かけます。
また自分は見たことがありませんが、時には自分より少し体の小さい小鳥も捕まえて食べることもあるとか。
そのためモズのくちばしの形状はワシやタカなどの大型の猛禽類と同じように、いちど獲物をくわえたら離しにくいようカギ状に曲がっています。
モズの早贄(はやにえ)にはどんな意味があるのか
肉食のモズの習性として、よく知られているのがモズの早贄(はやにえ)。
これは、秋から冬にかけてモズが捕まえたバッタやカエルなどの獲物が、木の枝に刺されたままになったものです。しばらく時間がたつとこの獲物は水分が抜けて干からび、干物の様になってしまいます。
僕は自宅の庭で鉢植えの木にモズの早贄があるのを見つけたことがありますが、それは真っ黒に干からびてグロテスクな状態になっていたのを覚えています。
もともとモズは足で獲物を支持してついばむのが苦手なので枝に獲物を串刺しにしてから食べるそうですが、そのまま獲物を食べずに枝に刺したまま放置するなんてなんとも不思議ですよね。
モズがこの様な早贄を行う理由には以下のようなことが考えられています。
- 冬の間の食料の備蓄
- 自分の縄張りの誇示
- 本能的に獲物を狩っている
ところが、このモズが早贄を行う理由については、実のところ専門家にもよく分かっていないようです。
冬の間の食料の備蓄
この中で冬の間の食料を備蓄しているという説は一見ありそうですが、実際には早贄された獲物が食べられないままずっと残っていることが多いようです。
また日本では冬の間に獲物が全く獲れない環境になるわけでもないので、この説は難しそうです。
自分の縄張りの誇示
次に縄張りの誇示、主張という説についてはどうでしょう。
これは犬が小便で縄張りの誇示をするのと同じような役割を早贄が担うということになります。早贄をみた他のモズはおののいて早贄の場所から逃げるでしょうか?
たとえばカラスなどが早贄を見つけると食べてしまうかもしれませんし、他のモズが早贄を見つけた場合もやはり食べられてしまいそうですよね。
なので、この説も難しい気がします。
本能的に獲物を獲っている
残った「本能的に獲物を狩っている」という説ですが、これはありそうな気が僕はします。
例えば猫などが食べるわけでもないのにネズミやモグラを捕まえてもて遊び、時にはこれを殺してしまうことがあります。猫はもともと肉食動物なので、この行為はトラやライオンなどの野生の肉食動物が狩りの練習をするのと同じことなのかもしれません。きっと本能が、そうした行動を起こさせるのでしょう。
モズもこれと同じように、本能的に獲物を見つければお腹が減っていなくても捕まえて早贄にしてしまうのだと思うのです。
モズが、怪しいおっさんの視線に気づいてうしろを振り返りました。
「おや、とうとう見つかっちゃいましたか。」
この後、カメラを向けるとモズは一目散に飛んで逃げていきましたとさ。
それでは、今回はこのへんで。