今回は僕が使用しているテンマクデザインのウッドストーブサイドヴューMを紹介します。
この薪ストーブはテンマクデザインから2019年に発売された新しいモデルです。それまでのウッドストーブMの両側にストーブ内部の炎の揺らぎを見ることの出来るガラス窓が2枚が追加されたのが最大の特長です。
ストーブ天板の丸蓋を外せば直火で調理ができるし、バタフライ式の棚も両側についているので、薪ストーブの前で暖まりながら温かい料理を作りやすいモデルです。
それでは、このテンマクデザインの最新の薪ストーブの魅力とモデルの選び方、そして使い勝手についてこれからじっくりと見ていきましょう。
目次
テンマクデザイン ウッドストーブサイドヴューMの魅力
冬キャンプの定番にテント内にこもって薪ストーブで暖をとるというスタイルがあります。
せっかくアウトドアをやっているのに、テント内に引きこもったら面白くないのでは?と思われる方もいらっしゃるかもしれません。
薪ストーブの魅力は石油ストーブのように単に暖をとる器具というだけでなく、暖をとるために薪を燃やすというその一手間に遊びの要素がたっぷりとあることです。炎をみるのはやはり楽しいですね。たとえるならテント内で焚火をしているようなものです。なのでテント内に引きこもったとしても、かなり楽しいキャンプになるのです。
ウッドストーブサイドヴューMには、それまでのウッドストーブMにプラス5000円(税抜き)でこの「炎」を見るための窓が追加されたもの。僕はこのサイドヴューMを使ってますが、ゆらぐ炎をみることによる癒し効果に5000円を払うだけの価値は十分あると思っていますよ。
S・M・Lの3サイズがあるけどおすすめはMサイズ
ウッドストーブのサイズは全部で3種類あります。このサイズを選ぶ際、僕が購入前に考えたことをお話します。僕の場合はソロキャンプで使うことが多いため、まず出来るだけコンパクトな薪ストーブが欲しいと思っていました。
ところがいくらコンパクトだとは言っても購入した薪をそのまま入れるだけのサイズでないと、薪をノコギリで切るという手間が発生してしまいます。これはかなり面倒な作業ですので、絶対避けたいと思っていました。
実際にウッドストーブのMサイズを使ってみたところ、一番入手しやすいホームセンターバローの薪については問題なく入れることが出来たばかりでなく、それから続けて訪れた以下のキャンプ場で購入した薪でも問題なく入れることを確認出来ています。
- 平湯キャンプ場
- めいほうキャンプ場
- 伊勢志摩エバーグレイズ
というわけでMサイズなら市販の薪を購入してもほぼ問題なく入るようです。
一方、この下のSサイズは使用可能な薪長さが最長30cmなので市販の薪はそのままでは入らないことが多いと思われます。なので、もし購入するのであれば薪をカットする手間を覚悟する必要があります。
以上の結果、コンパクトでも使い勝手の良いMサイズが僕のオススメのサイズです。もちろんサイズが許すならば、Lサイズもいいと思います。
ウッドストーブサイドヴューの主なスペック
それではここでウッドストーブS・M・Lの3サイズについて仕様を比較してみましょう。Sサイズにはサイドヴューの設定がありませんので、下表ではMLサイズのみがサイドビューの仕様となります。
ウッドストーブS | ウッドストーブサイドヴューM | ウッドストーブサイドヴューL | |
素材 | SUS304 | SUS304 | SUS304 |
収納サイズ(mm) | L320×W150×H160 | L380×W228×H200 | L460×W278×H240 |
組立サイズ(mm) | L508×W459×H1930 | L570×W526×H2400 | L628×W645×H2732 |
煙突直径 | φ53mm | ∅63mm | ∅89mm |
重量 | 6.0kg | 9.7kg | 15.3kg |
※素材はいずれもステンレス製なので、鉄製の薪ストーブのように錆発生の心配が少なく、メンテナンスが比較的楽なストーブです。
※薪ストーブでは空気の流れ(ドラフト)が性能上の大切な要素となりますが、このドラフトに関してはサイドヴューLが一番煙突が高い(H2732mm)ことから有利です。ただし、ウッドストーブにはオプションの追加煙突が別売でありますので、このオプションを入手して煙突を高くすると良いでしょう。
僕がお得なスペシャルパッケージを選ばなかった理由
ウッドストーブにはスペシャルパッケージと呼ばれるお得なセットがあります。
スペシャルパッケージ(54,800円)の内容
- ストーブ本体(44,800円+税)
- ウォータータンクM(10,500円+税)
- カーボン製防火シート(4,800円+税)
- ウッドストーブM専用収納ケース(6,800円+税)
上記価格は、それぞれ単品購入時の価格です。
この4点のパッケージを単品で購入すると合計が66,900円+税ですから、スペシャルパッケージなら単品購入よりも15,000円も安くなります。
ただ、僕はこのスペシャルパッケージを選択せずにストーブ本体だけを単品で購入しました。
ウォータータンクは必要か?
というのも蛇口をひねるだけでいつでもお湯を取り出すことのできるウォータータンクは一見便利そうなアイテムですが、僕のソロキャンプが主なのであまり必要性を感じなかったのです。
この理由としては、まずソロキャンプでは3Lサイズのウォータータンクは大きすぎて持て余すと思われるからです。これだけ大量のお湯をソロキャンプで使うことはほぼ無いですから。
その上、薪ストーブの上に置かれたウォータータンクは常に加熱されるため、蒸発によって失われる水量もかなりあるはず。その水をずっと継ぎ足していくのはやはり面倒だと思いました。
僕はウッドストーブでお湯を作りたい時、ユニフレームのキャンプケトルを天板にのせて使っています。適切なサイズのコッヘルやケトルを使い、お湯が沸騰したらストーブから下ろすことでウォータータンクよりずっと使いやすいと思いますよ。
単品購入したら収納ケースはどうする?
スペシャルパッケージの中で本当に必要と思われるのは、きっと収納ケースだけではないかと思います。それならば収納ケースを単品で購入するのもありだと思います。
さらに節約したいのであればホームセンターで売っている市販のケースがなかなか便利です。これなら追加で煙突を購入しても、煙突と一緒に収納可能ですよ。
この収納ケースについては、次の記事を参考にしてください。
サーカスTCにインストールした時の使い勝手を紹介
ウッドストーブサイドヴューMは、同じテンマクデザインで人気のサーカスTCと組み合わせた時の使い勝手が秀逸です。
サーカスTCへのインストールはとても簡単
サーカスTCは火の粉による穴あきに比較的強いポリコットン素材を使用している上に、開口部のファスナーがダブルファスナー仕様になっていて、テントの上からでも下からでもファスナーの開け閉めが出来ます。
なのでサーカスTCは上部からファスナーを開くだけで煙突の貫通穴が作れるという訳です。専用の煙突ポート要らずなのはありがたい幕です。
サーカスTCの紹介記事はこちらです。
注意!ウッドストーブは屋外専用
幕内に薪ストーブをインストールするような行為はメーカーが推奨している使い方では決してありませんので、このような使い方をしていて何が起こってもすべて自己責任となります。ご注意ください。
テントの貫通部はプロテクターを使って守る
サーカスTCの煙突貫通部にはオプションの「ウッドストーブML兼用オプション プロテクター」を購入し、煙突に取りつけることでテントを煙突の熱から守ってやりましょう。取り付けは3本の蝶ネジで締め付けるだけです。
薪ストーブの煙突表面は思ったよりも高温になるので、TC素材といえども煙突に直接生地が触れると簡単に溶けてしまいますよ。
またプロテクターは貫通部の中間に来るように調節してやりましょう。これは強風などで幕上下に動くとプロテクターのない煙突部分に幕が触れるのを防ぐためです。
ストーブの転倒防止対策は確実に
ウッドストーブは長めの3本脚でしっかり立つのですが、長い煙突がはるか上まで伸びていますので、そのままではどうしても不安定です。そこで使用時には足を地面にペグダウンしてやりましょう。写真ではエリッゼステークの18cmを使用してペグダウンしています。
また、フレームアレスター(煙突の先端パーツ)には固定用ロープを結ぶ金具がついています。この金具にガイロープをそれぞれ結び、地面にガイロープをペグダウンしてやることで煙突が十分安定します。
オプションの煙突追加がオススメ
ウッドストーブサイドヴューMは、ストーブ本体内に煙突を収納するようになっていますが、サーカスTCと組み合わせて使う時はそれだけでは短い感じがします。煙突長さはドラフトに影響するのですが、強風の吹くキャンプ場では逆流をおこす可能性もあります。
僕がウッドストーブサイドヴューMを使っていて経験した逆流現象については次の記事にまとめていますので、ご参考まで。
僕のおすすめは直管を2本以上追加することです。下の写真は直管を2本追加して使っているところ。2本分高くなるとドラフトが強くなり使いやすくなる上に、サーカスTCの最上部より少し高くなるので、サーカスTC自体が風を乱してしまう影響も受けにくくなるようです。
ウッドストーブをもっと使いこなす
ここからは、ウッドストーブの使いこなしについて紹介します。
ウッドストーブは調理にも大活躍
ウッドストーブを使っていて思うのは火を使用する調理にとても便利だということ。下の写真はユニフレームのダッチオーブン6インチスーパーディープを使って調理しているところですが、ストーブの中には常に熾火がありますので、必要な時にこれを取り出せば上火加熱もお手軽にできます。
ストーブの天板は取り外せるようになっていますので、強い火力が必要な調理の時は外して使うことが出来ます。下の写真はバケットパンを焼いているところ。
ストーブ本体への煙突収納方法
片付ける際、ストーブ本体にロストルと煙突を差し込むのですが、この作業を行うときに僕は以前ストーブ本体が地面に3本足で立っている状態で作業していたのですが、するとなかなか作業が難しいと感じていました。(できなくはありませんが。)
そこで僕は薪ストーブ本の脚を折りたたみ、ストーブの前面のフタを上に向ける格好にしてから作業しています。この姿勢だと楽に煙突が差し込めるはずです。
まとめ
以上、テンマクデザインのウッドストーブサイドヴューMの紹介でした。
冬キャンプで薪ストーブを使うというのは、キャンプをやっていて一番ロマンを感じる場面でもあります。そのためには煙突を使えるテントと薪ストーブを揃える必要があります。
このテンマクデザインのウッドストーブのシリーズはキャンプ専用ストーブの中では比較的入手しやすい価格帯のストーブだと思いますが、それでも高価なことには違いありませんので後悔の無い選択が出来ればと思います。その意味で、この記事がみなさんの薪ストーブ選びのご参考になれば幸いです。
それでは、今回はこのへんで。
みなさん、楽しいキャンプを!