今回は「今年こそ冬キャンプをはじめてみたい!」と考えられている方へ、その楽しさについてお話ししたいと思います。
冬キャンプには興味があるけど、やっぱり寒いし大丈夫かな?とためらっている方はけっこう多いのではないでしょうか。
僕自身は春夏秋冬、一年中キャンプを楽しんでいますが、その中で冬キャンプは荷物こそ増えますが特にきびしいキャンプという印象はありません。きびしいのはどちらかというと冬キャンプよりも、暑い夏キャンプの方ですね。冬キャンプは準備こそ少し大変なのですが、実際にやってみれば意外と快適と感じるようになると思います。
冬キャンプを楽しむには、冬でもあまり寒くならないキャンプ場からはじめ、徐々に装備を充実させてステップアップしていけば良いのです。その先にあるのは四季のある日本の自然の素晴らしさを肌で感じる喜びですよ。
目次
今年こそ冬キャンプに素敵にハマろう
アニメ「ゆるキャン」が人気になり、このアニメを見たのをきっかけにキャンプを趣味にされる方が増えている社会現象があります。このアニメの中で主人公たちが楽しんでいるのが今回のテーマ「冬キャンプ」。
少し前まで冬キャンプというと、キャンプが趣味の方の中でも少数派でしたし、冬キャンプのことを話しても「冬にキャンプすると寒いでしょ。」と言われるのがオチで、少し変わった人という目で見られたものです。ところが今では、ゆるキャンをはじめとするキャンプブームによって「冬キャンプ」もブームになりつつある気がします。
かつて、ホームセンターのアウトドア用品売り場は冬になると売り場面積が縮小されていたものですが、昨年あたりから冬場の売り場縮小も無く、一年中キャンプ用品を売り続けるようになりました。(管理人宅から最寄りのホムセンの話ですが。) つまり今、冬キャンプをはじめるのに絶好のタイミングといってもいいのです。
キャンプのステップアップに冬キャンプを
キャンプは春夏秋の3シーズンのいずれかからはじめる方がほとんどだと思いますが、その次にスキルアップをしたい方は冬キャンプに挑戦するのも良い選択です。
例えばスキーの場合だと、初めは傾斜が緩やかな「初心者コース」から滑りはじめ徐々に傾斜のきついコースにステップアップしていくと思いますが、それと同じようなイメージです。
はじめから冬キャンプをオススメしないのはキャンプ用品の中でも冬キャンプ用の寝袋やマットは保温性能を要求されるため必然と高額になり、初心者がはじめるには敷居が高いからです。
いきなり極寒地キャンプはやめよう
冬キャンプをはじめるなら、まず平地のキャンプ場に挑戦するのがおすすめです。およそですが最低気温が-5℃以内の場所が良いと思います。
それでも不安なら電源付きサイトを利用すると、ホットカーペットや電気毛布、こたつなどの家庭で使っている暖房アイテムを使用することができますので、冬キャンプの敷居が一気に下がるはず。
僕もはじめて家族で冬キャンプをした時はホットカーペットの上で冬用の寝袋に入って寝たのですが、寝ていて寒いと感じたことは全くありませんでした。というか真冬なのに暑いくらいでした。
はじめから-10℃以下になるような標高の高いキャンプ場や雪中キャンプに挑戦すると、装備によっては寒くてつらいだけのキャンプになる可能性がありますので僕はあまりおすすめしません。それよりも、少しずつステップアップしてうまくいかなかったところを修正していけば、次のキャンプへの楽しみにつながると思います。
はじめての冬キャンプで本当に気をつけるべきこと
冬キャンプでは暖房器具を使うため、気をつけるべきポイントがいくつかあります。
寒いのはつらいけど
冬キャンプで一番気になるのは「寒さ」ではないでしょうか。当然ながら寒いのは想像がつきますので、暖かい服装や厚めの寝袋、石油ストーブなどの暖房器具を用意されることと思います。それでも寒さで弱ってしまうことはあるかも知れませんが、命まで落としてしまうことは考えにくいと思います。
もし冬キャンプに来て寒くて仕方なければ、最悪でもすぐに寝袋に潜ってしまえばいいのです。それよりももっと怖いことが冬キャンプにはあります。
寝不足にならないために
寒くて寝られないと、次の日の行動に支障が出てしまう恐れがあります。特に運転手の方は要注意です。運転中に頭がボーッとして判断力が鈍ると危険なのはいうまでもありません。
冬キャンプで寝不足が起きる状況ですが、寝ている時に足先や肩口など、からだのどこか一部分でも寒いと感じるところがあるとなかなか眠りにつけないものです。
もし購入したばかりの寝袋などを使うときは、一度自宅で試してから実戦で使うといいと思います。このとき、もしつま先の保温力が弱いと感じれば、靴下を履いたまま寝るなどの対策が考えられるはずです。
もう一つのポイントは先ほどと全く逆の話なのですが、寝ていてどこか体の一部だけ暖かい(熱い)と感じるところがあると、これもなかなか眠りにつきにくいものです。
貼るカイロを背中に貼ったり、湯たんぽを狭い寝袋の足元に入れるときなどは、そのような状況にならないか寝る前に確認しておきましょう。
寝る時は出来るだけ外部の熱で温まるのではなく、自分の体温だけで温まって寝られる環境が催眠には好ましいのです。そういう意味では、寝袋やマットがとても重要なアイテムになります。
テント内での石油ストーブや炭の使用に注意
冬キャンプで起きる一番危険な事故は一酸化炭素中毒です。毎年キャンプをしていて一酸化炭素中毒で亡くなる痛ましい事故が起きています。
はじめに石油ストーブをテント内暖房として使うことはメーカーも禁止をしている使い方です。それでも自己責任で使おうかと思われている方もいるかと思います。
僕は韓国製のアルパカストーブを輸入して使っていますが、このストーブは燃焼状態があまりよくないせいか、一酸化炭素警報器を使ってモニターしていると思ったよりも多くの一酸化炭素が発生しているのが分かります。
「自分の石油ストーブはいつも問題なく燃焼しているので一酸化炭素など発生しない、だから大丈夫。」と思っていたらとても危険です。燃焼状態が急に悪くなったりする可能性もありますので一酸化炭素警報器でモニターするべきです。また就寝時には必ず消火しておきましょう。
つぎに2ルームテントの前室やシェルターの中で調理に炭を使用される方も多いかと思いますが、炭というのは一酸化炭素をたくさん放出するものです。特に大人数でBBQをするような炭グリルをつかうと危険です。これについても一酸化炭素警報器を使ったり換気には気を配りましょう。また2ルームテントで寝る時は前室に火が消えていない炭を放置するのもNGです。
冬キャンプならではの楽しみ
ここから、寒い季節にキャンプをする楽しみについてお話します。
火を使うありがたさを知る
キャンプで一年中焚き火を楽しむ方は多いと思いますが、その焚き火の暖かさが本当に気持ちよく感じるようになるのが寒い冬キャンプの季節です。夏のキャンプでも気温が下がる夜は焚き火が楽しいものですが、あまりに暑いときはやはり敬遠してしまいます。
冬キャンプなら昼夜を問わず、焚火の炎を眺めながらその火にあたって暖まることで心から癒されることでしょう。
日本の四季をつなぐ最後のピース
そして冬キャンプの最大の楽しみは、春の訪れを感じられる瞬間です。色の無くなった冬の景色の中から、枯れた芝に緑色の芽が吹き、小さな羽虫が飛んでいるのに気づいたときに、誰もが春が近づく喜びを感じるでしょう。
そんな季節の変化を敏感に感じられるのも、寒さの中で冬キャンプをするキャンパーの特権ですね。
それでは、今回はこのへんで。
楽しい冬キャンプを!