今回はユニフレームのキャンプ羽釜についてご紹介します。
最近の僕はこのキャンプ羽釜を、主に同じユニフレームの薪グリルラージと一緒に使っています。
突然ですが、みなさんはキャンプで炊飯するのって好きですか?
僕の場合は焚火の炎を自在に操ってこのキャンプ羽釜で美味しいご飯が炊けた時のうれしさといったら、もうこれ以上のキャンプの醍醐味なんて無いと思えてしまうくらいです。
キャンプ羽釜は熱の伝わりやすいアルミ鋳造の本体に、釜の中の圧力を上げるための重いステンレスのフタのコンビネーション。
運搬する時の「重さ」なんかにはかまわず、ただ美味しくご飯を炊くという点にこだわって作られたキャンプ用炊飯器なのです。
さらに昔から日本のカマドで使われてきた羽釜をベースにした上で、焚き火でも使いやすいようにツル(取っ手)を備えるなど、現代風にアレンジされたものになっています。
今回の記事では、これからキャンプ羽釜を購入しようとされている方、または既に購入し使われている方のために、キャンプ羽釜の使用や主な特長、そしてご飯を美味しく炊くためのコツについて詳しくお話していきます。
それでは、最後までごゆっくりとぞうぞ。
ユニフレームのキャンプ羽釜とは
はじめに、ユニフレームのキャンプ羽釜の魅力について一緒に考えてみましょう。
最近の炊飯器にも採用されている「羽釜」とは何?
最近の高級炊飯器のトレンドは“羽釜”なのです。それも象印なら「極め羽釜」三菱なら「本炭釜」、東芝なら「かまど本羽釜」といった製品名称がついているほどですよ。
炊飯器でこれほど注目を浴びている「羽釜」って一体何でしょうか?
大昔の日本人は土鍋(土器)でお米を蒸らして食べていたそうですが、その後かまど(竈)に羽釜をのせてお米を炊くようになりました。
羽釜は底が丸く、胴にツバのある鉄製(またはアルミニウム製)の炊飯用釜のことで、炊飯時は厚みがあって重い木でフタをします。この羽釜のツバはかまどの縁に釜をひっかけるためのパーツです。
もともと大陸から日本へ釜が伝わってきたときはツバが無かったのですが、炊飯のたびに釜をきれいに洗う日本人の習慣に合わせ、かまどから毎回釜を取り外しやすい様にツバがつけられ羽釜になったというわけです。
日本人の使う羽釜には「ツバ」がついているので、かまどを使わなくなった「キャンプ羽釜」にも「ツバ」がついている理由はそれがアイデンティティだからです。(きっとそうです)
ユニフレーム キャンプ羽釜3合炊きの主なスペック
- 【サイズ】約φ206×150(高さ)mm(内径φ149mm)
- 【重量】1.35kg
- 【適正炊飯量】3合
- 【満水容量】1.8リットル
- 【素材】本体:アルミ鋳造/ハンドル:ステンレス鋼/フタ:ステンレス鋼/ツマミ:天然木
ご飯を美味しく炊くために、本体は熱が伝わりやすいように板厚のあるアルミニウム、フタは重く錆びにくいステンレスと適材適所となっています。ふたのツマミが天然木なのは熱を伝えにくいので熱くならないという意味もありますが、もともと羽釜ではぶ厚い木製のフタを使っていたということへのオマージュでもあるのでしょう。ツマミひとつにもユニフレームの製品づくりへの強いこだわりを感じてしまいます。
アルミ製の釜なので使う前にシーズニング
キャンプ羽釜の本体の材質はアルミニウムなので、アルミコッヘルやアルミ鍋などと同じように、そのまま使い始めると黒く変色する恐れがあります。
そこで僕も実行しましたが、これが気になる方は予防のために下のような手順をふむと良いでしょう。
- 米のとぎ汁を羽釜の7~8分目まで入れる。
- 蓋をあけたまま火にかけて10分以上沸騰させる。
- とぎ汁を捨てて、内側を水洗いする。
- 最後に水気を拭き取り、乾かしてから収納する。
昔懐かしい羽釜の形をしているのがキャンプ羽釜の魅力
ここで少しだけ、キャンプ羽釜を購入した管理人の主観100%で話をします。
もしも、このキャンプ羽釜が分厚いアルミの本体にステンレスの重いフタを組み合わせているのに、形状がごく普通のコッヘルだったら、きっと僕はこのキャンプ羽釜を購入することは無かったと思うのです。
このキャンプ羽釜が発売される少し前、僕はユニフレームの薪グリルを使いはじめました。そしてキャンプ羽釜をはじめて見たときに、焚火で炊飯するならコイツしかないと感じたのです。
ユニフレームには「キャンプケトル」というロングセラーモデルがありますよね。このキャンプケトルもキャンプ羽釜と同様、見ただけで直火で使ってみたい気分にさせられる道具です。
ユーザーの気分を高揚させてくれる、そんな道具を自分で手にして使うのって素敵なことだと思うことが良くあります。
キャンプ羽釜1合炊きは販売されるか?
僕は、いつもはソロキャンプでこのキャンプ羽釜を使っているので1合しか炊きません。だから1合サイズのキャンプ羽釜があったら良いなーと、実はずっと思っています。(笑)
「キャンプ羽釜1合炊き発売!」という可能性が無いかと言えば、あのユニフレームのことですから人気が出たらユニセラやファイヤグリル、薪グリルと同じ様にLサイズ(5合焚き用)やSサイズ(1合焚き用)が発売される可能性は十分あると思います。
「予想通り、2020年にキャンプ羽釜五合炊きの発売されました!」
さらに言えば、「キャンプ羽釜3合炊き」という名前がつけられている時点で、すでにその伏線が張られていたと思うのですよ。だから僕が購入時に心配した唯一のポイントが、購入した後で「キャンプ羽釜1合炊き」が発売されるということでした。(笑) 本当にそうなったら、ちょっとした悪夢ですから。
でも今はもしそうなったら1合炊きも購入し、今の3合炊きの方はファミリーキャンプ専用にしようと思っていますけどね。
焚き火でも使える実力者
燃えさかる炎を自由に操り、最後にご飯が美味しく炊けたことを確かめる最高のひと時を味わうことが出来るのは焚火で炊飯をするキャンパーの特権です。この瞬間を味わうために必要な道具は焚火に耐えられる丈夫な釜です。
テフロン加工済みの鍋は、いつかテフロンがはがれたら瞬間に寿命となってしまいます。かといって昔ながらの武骨な飯盒(ハンゴウ)は焦げ付きやすく、使いこなすには少しばかりコツが必要です。ご飯を上手に炊けるキャンプ羽釜はとても頑丈に作られているので、一生使い続けられる道具だと思います。(壊れそうなところが今のところ思いつきません。)
ツル(ハンドル)がついているので掴みやすい
キャンプ羽釜だけあって、焚き火で使うときに便利なツルがついています。炊飯中は下の写真の様に上に立てておけば、つかみやすいですよ。
底面はフラットに
キャンプ羽釜は底の部分がすり鉢状になっているのですが、底面はフラットになっており下の写真の様にシングルバーナー(SOTO ST-330)の五徳の上に載せても十分安定します。
キャンプ羽釜のツバに意味があるのか?
先にキャンプ羽釜のツバは、この製品がれっきとした羽釜であるアイデンティティの証だと申し上げました。それでは納得できない方がきっと大半だと思いますので、もう少し深く掘り下げてみたいと思います。
まず、ツバについてはユニフレームの担当の方が実はUFOマニアで、キャンプ羽釜をアダムスキー型にしたかったばっかりにツバをつけてしまったわけではないと思うのですが、自分も含め、このツバがあるばかりに「かさばるじゃないか!」と思われているユーザーさんは多いのではないかと想像できます。
「なんでツバなんてつけるのさ?」という声が聞こえてきそう。
「かさばるのが分かっているのに、そこまでしてツバをつけた意味って何なの?」
そこで自称ユニフレーマーの管理人が、キャンプ羽釜にツバをつけたことを弁護するために今までにキャンプ羽釜を使っていてツバがあって良かったと思った点を2つ説明してみます。
まず一つ目ですが、炊飯すると一度沸騰させるタイミングがありますよね。この時に釜の中から汁がこぼれて外側にダラーッと垂れてくる(特に3合炊いた時)のですが、ツバが無いと釜の外表面をつたってバーナーの燃焼ヘッドの上に汁が落ちてしまう状況が想像できます。
運が悪いと、煮汁が燃焼穴に入ってバーナーの燃焼状態が悪くなってしまうかもしれません。そうなったら一大事ですよね。もしツバがあれば、大量に汁が垂れてもツバの端から真下へ汁が落ちるだけでバーナーまでは届かないのです。
二つ目は、焚火で使用するときの話です。本格的なカマドなら問題ないのですが、同社の薪グリルをはじめとする五徳つきの焚き火台にキャンプ羽釜をのせ炊飯すると、下から炎が伸びてきてフタのツマミ(木製)を焦がしてしまう危険性があります。
この様な時に、下から上がってくる炎をツバが遮断してツマミを守ってくれるのです。取っ手がもし焦げてもユニフレームが修理してくれるのかもしれませんが、それでも6,500円の道具の取っ手が焦げてしまったら、きっとその時は悲しくなると思いますよ。
どうですか、「ツバって素晴らしいなー。」って思いましたか?
なんて、ありがたいと思うのはその2点だけですけど。(;^ω^)
最後に、ユニフレームのHPには「キャンプ羽釜はネイチャーストーブラージにぴったり組み合わせて使うことが出来る」と紹介されています。
この場合、ツバがネイチャーストーブの縁にひっかかっているわけなので、ツバ本来の正しい使い方をしていることになりますよね。(このためにツバをつけた? そんなこと無くて、この組み合わせは後日偶然気づいた感があります。)
ススが目立たないブラックカラー
直火で使うと必ず鍋底に黒いススがつきます。ススは洗って洗ってもなかなか落ちないので厄介なのですが、キャンプ羽釜はツバの下の部分がはじめから黒いので、ススで汚れていることが誰にも気づかれないようになっています。(笑)
キャンプ羽釜3合炊き用収納ケース
キャンプ羽釜のオプションとして専用の収納ケースが別売されています。商品名は「羽釜袋3合」、税込みで1,900円です。
羽釜の底のススでほかのキャンプ道具を汚したくないし、本体のアルミは傷つきやすいので僕もこの羽釜袋が欲しいのですが、資金不足により100均の袋(200円)を今は代わりに使っています。
キャンプ羽釜で美味しくご飯が炊ける理由
キャンプ羽釜には、美味しくご飯を炊くための工夫がありますよ。
すり鉢状の本体形状
キャンプ羽釜の底はすり鉢状になっています。これは昔ながらの羽釜と同じように、炊飯中に内部で対流が起きやすく美味しく炊ける効果を狙ったものです。
釜の内側をのぞいたところです。底に近づくにつれ、釜内側のラインが絞られているのが分かります。
厚みのあるアルミ本体は熱が伝わりやすい
釜に熱を均一に伝えるため、本体の材質にアルミニウムを採用しています。アルミニウムは鉄やステンレス、チタンに比べて熱を伝えやすい材料です。
さらに本体のアルミには厚みをもたせ、いっそう熱伝導の向上がはかられています。アルミ鋳造で作られている羽釜はスペック上は明記されていないものの、手に取るとかなりの厚みを感じますよ。
ステンレスの重い蓋
昔、キャンプでコッヘルを使って炊飯をする時に、よくフタの上に石ころをおもしとして載せていました。(笑)キャンプ羽釜のフタは厚めのステンレスなので、それ自体が結構重い。これなら石ころを載せなくても上手く炊飯が出来ますね。
厚いアルミフタと、重いステンレスのフタ、美味しく炊けるように細部までこだわって作られているので、キャンプ羽釜の総重量は1.35kgとなかなかのヘビー級なのです。
キャンプ羽釜で美味しいご飯を炊く方法
炊飯の手順
キャンプ羽釜で炊飯する手順とポイントを解説します。
1.お米の量と水量を正確に計る
炊飯を成功させるための大切な第一歩は、お米と水の量を正確に計ることです。
まず覚えておきたいのは米1合は180cc(180ml)だということ。キャンプテンスタッグのミニシェラカップには180ccの目盛りがついているので、僕はいつもこのミニシェラカップを使って米の計量を行っています。
水量については羽釜の内側に目盛り線がついているので、この線を確認しながら水を入れるだけでOKです。水量を確認しておけば、次に炊飯する際にもっと固めのご飯がいいと思ったら水を少なめに、柔らかめが良いと思ったら水を多めにと調整することが出来ますよ。
2.お米を水に浸しておく
最低でも炊飯開始30分前に水を浸すようにしましょう。お米に吸水させることで、炊きあがった時に芯が出来にくくなります。吸水の速度は水温が下がると遅くなるので、冬はもう少し長めの方が良いです。
3.沸騰するまでは強火で
ここが炊飯を成功させるために一番大切な工程です。沸きあがるまで基本は強火をキープしましょう。焚火の場合はまず強火を作ってから羽釜を火にかけるイメージです。
ガスやガソリンなどの場合はつまみを強火に。ただしキャンプ用バーナーには最強にすると暴力的な火力になるモノが稀にありますので、その場合はほどほどに調整してください。10分くらいで沸騰するくらいの火力が目安です。
沸騰するまでの時間があまりに早すぎると、これも芯が残ってしまう原因になります。
ガス燃料の場合は周りの状況によってはドロップダウンで火力が落ちたり、強風でバーナーの炎が飛ばされそうになることがあるかもしれません。この時はつまみをいくら「強火」にしていても、うまく炊けないことがありますので対策が必要です。火加減にはくれぐれも注意してください。
「はじめチョロチョロ」って何?
4.沸騰したら弱火に
沸騰すると、羽釜のフタからお湯がこぼれてきますので注意しておきましょう。
キャンプ羽釜で1合炊いているときはそうでもないのですが、3合炊いていると盛大に吹きこぼれる場合がありますので、バーナーで炊飯をしている時は吹きこぼれても良い状態にテーブルの上を片付けておくこと良いと思います。焚火の場合は、基本的にそんな心配はないですね。
僕の場合、弱火で14分間キープがちょうど良い炊き加減となります。ご飯を焦がさないためにも弱火にしてから火を止めるまでの時間をタイマーで測っておきましょう。そうすれば、今回うまく炊けなくても、次回は修正が可能です。
5.火を止めたら蒸らす
10分ほど蒸らしたら、しゃもじでご飯を釜の底からひっくり返してやると、空気がお米の間に入ってふっくらとします。蒸らしたままの状態で放置すると、ご飯が固くなってしまいますよ。
以上、炊飯の手順でした。
上の写真はキャンプ羽釜を使って1合炊いた時のものですが、「カニの穴」が確認できました。炊飯するとき、このカニの穴を確認するのが僕の密かな楽しみです。(笑)
釜めしにも挑戦しよう
せっかく羽釜を使っているのだから、釜めしにも挑戦してみてはいかがでしょうか。
釜めしなんてハードルが高いと感じるかもしれませんが、市販の釜めしの素を使えばキャンプでも手軽に釜めしを作ることができますよ。
丸美屋「釜めしの素」シリーズ、イチビキ(株)の「炊き込みごはんの素」など、スーパーで探してみてください。
僕ならみそ汁と炊き込みご飯さえあれば、他におかずはいりません。(笑)
キャンプ羽釜まとめ
それでは最後にキャンプ羽釜のまとめです。
キャンプ羽釜は見た目だけではなくて本物の羽釜だ
ユニフレームのキャンプ羽釜は、一目その姿を見てからというもの焚き火で使う炊飯器として欲しくなりました。そして購入して実際に使うと、毎回失敗することなく上手く炊飯することができるので、キャンプ羽釜は本物だと実感しております。
「羽釜の姿は伊達じゃない。」
今では、キャンプケトルと同じくらいお気に入りのキャンプ道具となっていますよ。
管理人による総合評価
それでは管理人の独断と偏見によるキャンプ羽釜の勝手な評価をします。
1.使いやすさ
2.炊飯性能
3.コストパフォーマンス
1.使いやすさについては通常のコッヘルよりサイズが大きめなので少し減点し星3つとしました。サイズが大きくなった原因としてはやはりツバの存在が効いているかと。(笑)
また重量については、同じ3合まで炊けるキャンプ羽釜(=1.35kg)をライスクッカーミニDX(=415g)と比べると3倍以上キャンプ羽釜が重いのです。車でキャンプ場に行くのであれば問題ないですが、徒歩や自転車キャンパーの方は購入前によく検討した方が良いと思います。
ただし、焚火で炊飯をするならば、キャンプ羽釜はかなり使いやすい道具ですね。
2.炊飯性能はかなり良いと感じているので星4.5としました。それまでキャンプで土鍋を使用していたのですが、土鍋よりもキャンプ羽釜の方がうまく炊ける気がします。
3.コストパフォーマンスですが、同じユニフレームで3合まで炊けるライスクッカーミニDXが定価4,000円(税込み)、一方キャンプ羽釜が6,500円(税込み)とかなりの価格差がありますが、細部をみるとキャンプ羽釜の方がこだわりを感じるので、この価格差は納得できます。というわけで星4つとしました。
キャンプ羽釜に5合炊きが登場
キャンプ羽釜に新しく合炊きが加わりました。
こちらは大人数のファミリーキャンプで活躍しそうなサイズです。
最後に
最後に今回ご紹介したユニフレームのキャンプ羽釜ですが、
焚き火で炊飯にチャレンジしたい方、そろそろハンゴウを買い替えようと思っている方に特にオススメです。
それでは、今回はこのへんで。
みなさん、楽しいキャンプライフを!