今回は2020年5月2日に近所の公園を散歩中、赤い昆虫を発見したというお話です。
ちなみに時々僕が散歩に利用しているこの公園ですが、コロナウィルス感染拡大防止として非常事態宣言となっている期間でもマスク着用なら利用してもいいというルールに一応なっています。BBQなどはもちろんNGですけど。
公園をブラブラと歩いていると木の幹に鮮烈な赤色の背中の昆虫を発見。
「おおっ、これは!」と、これまで見たことのない色の昆虫を見つけ、少し興奮気味でカメラのシャッターを押し続けていました。
この昆虫は本当に新種なのか
こんなに鮮やかな赤色をした昆虫は見たことが無いので、これは新種の昆虫に違いないと思ったのです。
そうだとしたらこれは大発見ですね。
「いやぁー、夢が膨らみますなぁー。」
そんな感じで浮かれ気分のまま、さっそく自宅に帰ってこの昆虫について調査しましたよ。
すると、あっけなくグーグルの画像検索でこの昆虫が見つかってしまいました。(+o+)ガーン!
この昆虫の名前は「ヨコヅナサシガメ」です。あぁー、残念ながら新種じゃなかったようですね。
と思ったら、この昆虫はよく新種と間違われやすいという記述も発見しましたよ。
これはどうして?でしょうか。
昆虫の背中が赤いのは何故か
ヨコヅナサシガメは春になると幼虫から脱皮することで成虫になるのですが、脱皮した直後はこれまで見てきた写真の通り真っ赤な体なのです。
この体色が時間がたつにつれ黒く変わるので、この赤い体色のサシガメを見られるのはまさに一瞬のこと。
この赤いヨコヅナサシガメを見る人はあまりいないことから、見つけたら新種じゃないかと思う方が多いそうです。(苦笑)
後で撮った写真をよく見ていたら、赤いヨコヅナサシガメの周りに幼虫の抜け殻がたくさんあるのに気が付きました。(上の写真の矢印の先に注目。)
ヨコヅナサシガメを見つけても触らないで
ヨコヅナサシガメは、カメムシ目のサシガメ科です。みなさんがよくご存知の臭いを出すカメムシは植物の液を吸っているものが多いのですが、このサシガメは肉食です。
カメムシと違ってクサイ臭いはだしません。
肉食のヨコヅナサシガメは口の先端が注射器の様に尖っていて、これを獲物に差し込み消化酵素を送って溶かし体液とともに吸って栄養にしています。
くさいニオイは出さないのですが、もし人が不用意に捕まえたりすると(そんな人は基本的にいないと思いますけど)、この鋭い口吻で刺されることがあります。刺されると痛いし腫れるようなので、もしヨコヅナサシガメを見つけてもそっとしておきましょう。
ヨコヅナサシガメの棲んでいるところ
先ほどお話したように、ヨコヅナサシガメは脱皮してしばらくたつと体色が黒くなります。
これも公園で写真を撮っていた時には気が付かなかったのですが、あとで写真を見ていたら黒い成虫が写っていました。(上の写真)
なんだかショッカーみたいなカラーリングのせいか、見た目に悪役の感じがプンプンしますね。(笑)
このヨコヅナサシガメはもともと東南アジアや中国に棲んでいる昆虫が、1930年代に九州に輸入品と共に入ってきた外来生物です。
それから徐々に東へと分布を広げ、現在は関東エリアまで分布を拡大しているようです。
主にサクラやニレ科の木の幹に棲んでいて、クモやガの幼虫などを捕食しています。
基本は木の上で生活しているのでなかなか人目につきにくい昆虫だと思いますが、アウトドアで見つけても触らないように注意しましょう。
それでは、今回はこのへんで。