こんにちは、ochanです。
今回はペレット燃料をSolo Stove Campfire(ソロストーブキャンプファイヤー)で燃やす方法についてお話しします。
市販の薪に比べ安価な木質ペレットを、燃焼効率の良い2次燃焼方式のソロストーブで燃やすスタイルは焚き火の一つの理想形。
そこでこの木質ペレット+キャンプファイヤーという組み合わせを、ソロキャンプの調理用、暖房用の熱源として使うことを考え、これまで実戦で試してきました。
すると見た目では簡単に燃えてくれそうなペレットが実はクセ者で、思っていた様には燃えてくれないという事実がだんだんと分かってきました。
そこでこの記事では、僕が実際にソロストーブでペレットを燃やしてみて分かった知見をすべてお話ししたいと思います。
ソロストーブでペレット燃料を燃やしたいと考えている方々のご参考になれば幸いです。
それでは、最後までごゆっくりとどうぞ。
目次
ソロストーブとペレットについて
まずはじめに、基本情報としてソロストーブとペレットについて簡単にお話しします。
Solo Stoveについて
SoloStoveは灯油やガソリンなどを使用せず、自然にある小枝や松ぼっくりなどを燃料とするネイチャーストーブの一種です。
アメリカで生まれた小型ストーブで、2次燃焼構造が特徴です。
このソロストーブのサイズは下の表のように3種類あります。
Solo Stove Light | 9.7 x 9.7 x 10.8 cm |
Solo Stove Titan | 13 x 13 x 14.2 cm |
Solo Stove Campfire | 17.8 x 17.8 x 24.1 cm |
今回は、この中で一番大きいキャンプファイヤーを使用しています。
薪を燃やすのは得意ではない燃焼炉サイズ
ホームセンターやキャンプ場などで市販されている薪のサイズは、およそ32cmから40cmです。
SoloStoveは燃焼炉のサイズが小さいので、これら市販の薪を燃やすためにはキャンプファイヤーのサイズでも1/3くらいに薪を細かく切ってやる必要があります。
薪を割るのはあまり労力を必要としませんが、のこぎりで薪を切るのは結構大変な作業。
というわけでSoloStoveを使う場合にはこれから紹介する木質ペレットを使うのがオススメです。
木質ペレットについて
木質ペレットとは粉砕した木くずを、直径6mm×長さ40mm程度の円筒形状に圧縮した燃料。
一般家庭向では、よくペレットストーブ用の燃料として利用されています。
少量を入手したい場合は猫のトイレ用として、ペットショップやホームセンターのペット用品コーナーで小袋が売られているので、これを購入するといいでしょう。
本格的に焚き火をする場合は燃料用ペレットを使いましょう。
ネットで購入すると割高になるので、できればホームセンターで探すといいと思います。
今回僕が使用している「ぬく森ペレット」はホームセンターコメリで取り扱われているもの。
価格は10kgで650円でした。
本格的に焚き火をするなら猫のトイレ用と比べて断然こちらが安いのでお得です。
ソロストーブでペレットを燃やすノウハウ
ソロストーブは先にお話したように小枝などを燃やすように作られているので、ペレットを燃やすには配慮すべきところがあります。
ペレット専用のロストルについて
ソロストーブのロストルはニクロム線を縦横に張ったものなので、そのままペレットを投入するとロストルの下にペレットが落ちてしまい使えません。
そこで、ペレットが落ちてしまわないようにニクロム線の上に専用の落下防止ロストルを敷いてやる必要があります。
下の写真は僕が使用しているロストルですが、これはAmazonで売られているものです。
ソロストーブの純正品ではありません。
これはパンチングメタルをソロストーブの内寸に合わせて円形にカットしているもののようです。
パンチングメタルを購入し、自分で切っても作れそうですね。
このロストルをソロストーブの底に敷くことで、ペレットがロストルの下に落ちなくなります。
これでペレットを燃やす準備が出来ました。
ペレットへの着火方法について
ペレットへの着火は、固形の着火剤による方法がネット上では紹介されていることが多い様に感じます。
僕もはじめは着火剤をペレットの上にのせて着火していました。
もちろん着火剤を使っても問題ないのですが、何度か使っているうちにもっと短時間で火をつける方法に気づきました。
それはガストーチを使用する方法です。
着火剤の場合は炎が上に向かうので、下に敷かれているペレットに火が移るのはどうしても着火剤が燃えつきる頃になりますが、ガストーチならペレットに直接火をつけることになるのでこの時間が短縮できます。
ガストーチでペレットをあぶれば、だいたい30秒から1分くらいでペレットに火がつきますよ。
キャンプファイヤーの燃焼時間
ソロストーブでペレットを燃やすと、一度にどれくらいの時間まで燃焼が続くのでしょうか。
そこで、ここではキャンプファイヤーに入れたペレットに着火してから炎が消えるまでを時間をおって見ていきたいと思います。
ペレットをソロストーブに充填する
燃焼時間を最大にするには単純にペレットをたくさん入れておけばいいのですが、ソロストーブの特性から2次燃焼の穴より上には入れられません。
そこでペレットは下部のロストルから上部にある2次燃焼の孔までの間の高さの8分目まで入れてやります。
ペレットに着火する
それではペレットにガストーチで着火します。
ガストーチで着火することをやめても、ペレットからあがる炎が消えてしまわない状態になった時点で燃焼時間の計測をスタートします。
2次燃焼がはじまる
着火してから約5分後に2次燃焼が始まります。
このソロストーブの2次燃焼の炎はとてもきれいですよ。
ペレットは燃えて嵩を減らしながら2次燃焼を続けます。
2次燃焼がと切れるようになる
着火してから40分後に突然2次燃焼の炎が途切れるようになり、同時に火力がかなり弱まります。
鎮火する
着火から45分後、ついに火が鎮火します。
というわけで、いちど燃料を入れると45分の間は強い火力を維持することができるので、これなら料理の熱源としても十分使えますね。
燃焼中にペレットを追加する方法
一晩中ペレットを燃やし続ける場合は、燃えつきて鎮火する状態を避けるために途中でペレットをソロストーブの中に追加する運用となります。
ところが、これがなかなか難しいのですよ。
ソロストーブにペレットを追加するときのコツ
気を付けなければいけないのは、ペレットを追加すると失火しやすということです。
このため、ペレットの投入する時には3つのコツがあります。
- 2時燃焼が途切れる前にペレットを追加する。
- ペレットを一度に大量に入れない。
- 燃焼炉の端の方だけにペレットを投入する。
まずペレットを投入するタイミングは2次燃焼が途切れるタイミングの前です。
2次燃焼が途切れ火力が小さくなってから投入すると、間違いなく鎮火してしまいます。
つまり火力の強い時にペレットを追加することになりますが、はじめはこのタイミングが難しいと思います。
次にペレットを一度に大量に入れると、これも鎮火の原因となります。
ペレットは意外と着火しにくい燃料です。
燃えているペレットの最上部に新しいペレットの層が出来ると、火に砂をかけた時のように酸素不足で消えてしまいます。
そこでペレットを追加するには燃焼炉の外側に沿って少しづつ入れてやるようにしましょう。
それでも鎮火してしまったら、しばらくそのまま放置しておけば新しいペレットから煙が出てきて自然に着火するケースも多いのですが、それよりもガストーチでペレットを炙ってやれば再点火までの時間が短縮できます。
炭化したペレットを取りのぞく必要あり
このようにしてペレットを追加して運用しているうちに、やがてソロストーブ内に炭化した黒いペレットの量が増えてきて、それに伴い火力が弱まってくるのを感じるようになります。
炭化したペレットはそのまま放置しておけばやがて灰になってしまうのですが、そこまで炎が消えたまま待っているわけにはいきません。
そこで溜まってきたペレットは火消し壺に移してやるなどして、取り除いてやる必要があります。
ただしこの作業は頻繁に必要となるわけでは無く、だいたい一晩に一回か二回くらいです。
この炭化したペレットの使い道ですが、別の記事で詳しく説明をしていますのでご参照ください。
調理と暖房用の熱源としての有効性
ここで当初の目的の通りソロストーブキャンプファイヤーがソロキャンプの調理用、暖房用の熱源として有効であったかについて評価してみましょう。
寒い季節のキャンプではソロストーブキャンプファイヤー、それ以外の暖房を必要としない季節はソロストーブタイタンが適しているというのが僕の評価です。
調理用の熱源として
ソロストーブキャンプファイヤーの火力については、ソロキャンプの調理用としては少し強すぎる印象をうけます。
というのもソロキャンプ用の小さな鍋やケトルをソロストーブの五徳に載せると、その周りが炎で包まれるくらいの高火力ですから。
下の写真はユニフレームの焚き火鍋18cmをキャンプファイヤーの五徳に載せたところですが、この時は木のフタが燃えそうでドキドキしました。
火力調節をストーブ側で行うのは難しいため、鍋やケトルについてはトライポッドなどを使って五徳からいくらか離してやると良いですね。
逆にかなりの強火をつかえるので、中華鍋による調理には向いています。
パラパラのチャーハンに挑戦するのには好都合ですよね。
総じて、ソロキャンプ用の調理の熱源としては一つ小さいタイタンでも十分ではないかと思います。
暖房用の熱源として
冬キャンプの暖房として考えた場合、ソロストーブキャンプファイヤーの強い火力はとてもありがたく感じます。
よく2次燃焼ストーブは燃焼室が2重になっているため輻射熱の量が少ないと聞きますが、煙がほとんど出ないし、ペレットは爆ぜる心配が無いので比較的体の近くにストーブを寄せて使用することが可能になるのでかなり暖かいです。
ソロストーブ独特の大きな炎による輻射熱はとても気持ちよいですよ。
また暖かさを増幅させるために、よくある亜鉛メッキ製の風防などを併用することをおすすめします。
熱源として使用する場合の欠点
燃焼中にペレットを追加する方法の項でお話した通りですが、ソロストーブはペレットを追加したタイミングで火力がいったん落ちるという特性があります。
調理用の火力としては調理時間が長くなるくらいであまり影響がないかもしれませんが、暖房用として考えるとこの間は間違いなく寒いわけです。
そこで、僕はこの間だけガスストーブを点火するなどしてしのいでいます。
寒さについては人によって感じ方が違うと思いますが、何らかの対策が必要かもしれません。
この火力の落ちる時間を短縮していくことが今後の課題ですね。
どこまで工夫して追い込めるかで、ソロストーブの評価がもっと変わってくると思っています。
ソロキャンプで一泊二日のペレット代
実際にキャンプファイヤーを使って1泊2日のソロキャンプで使用したペレット代についてお話します。
このソロキャンプの1日目は夕方からはじまり、夕食をつくった後も夜中の12:00頃まで焚き火をずっと続けていました。
11月中旬のキャンプだったので、暖房用としてソロストーブを利用していたのです。
翌朝も朝食のためにソロストーブに点火し、調理後にストーブの使用をやめました。
この使用方法でペレット10kg袋の6割から7割弱くらいを消費しています。
約6.5kg消費しているので、650円×6.5kg/10kg=420円程度のペレット代がかかったという計算になります。
1泊二日のキャンプで針葉樹の薪を一束使用したとすると薪代で500円から600円くらいはかかりますので、単純に比較すると2割から3割くらいのコストが削減できるといったところですね。
ソロストーブキャンプファイヤーでペレットを燃やす方法まとめ
以上、僕が実際にソロストーブでペレットを燃やしてみて分かった知見を全てお話ししましたが、いかがだったでしょうか。
今のところ、僕が得たノウハウはここまでです。
理想と現実の違いに戸惑ってしまった方もいるかもしれませんし、これなら使えそうだと感じた方もいるかもしれませんね。
ペレット燃料をソロストーブで燃やすときに便利に使える道具についてこちらの記事で紹介しています。
ぜひ参考にしてみてください。
僕自身、まだまだ工夫が足りないところもあるのではと思っていますので、なにかこの記事についてアドバイスなどありましたら、コメント欄に残していただければと思います。
最後に僕はソロストーブを実際に使ってみて、ストーブ(焚き火台)は少し扱いが難しいくらいの方が燃やし方を改善していく過程を愉しめるのと、やはり2次燃焼は見ていて綺麗だなぁと感じるところがあるので、ソロキャンプを盛り上げてくれる素敵な道具だなと思ったことをお伝えして、今回のお話しを終わりたいと思います。
それでは今回はこのへんで。
みなさん、楽しいキャンプを!