キャンプをはじめ、釣りや山歩き、野鳥観察、風景写真などのアウトドアを趣味とする方にとって共通する楽しみの一つに、日本の四季の移り変わりを自身の肌で感じることがあります。
特にキャンプは一日を自然の中でゆっくりと過ごすわけですから、季節ごとに変わっていく気温や湿度、風向・風速などの目に見えない環境の変化や、周りの植物や昆虫の一盛一衰を発見しやすい趣味だと思います。
昔から日本人は四季の変化にとても敏感で、清少納言が「春はあけぼの」で始まる枕草子を書いたように、四季があることで日本人は感性を磨かれてきたと思うのですが、それは我々キャンプを趣味とする者の中にも連綿と受け継がれているはずで、自然の中に身を置くことで「美」を発見し、豊かな感性を育てることが出来るのではないでしょうか。
世の中には同じ風景を見ても感動できる人と感動出来ない人がいるわけですが、キャンプを通じてその感性を磨くことで、何もしない今より少し豊かな人生が送れるようになるはずだと僕は思うのです。
というわけで、今回は僕のソロキャンプの一年の楽しみについて、ギュッと短く圧縮してご紹介したいと思います。
おヒマでしたら、しばらくの間おつきあいくださいませ。
夏は海辺のキャンプ場で魚釣り三昧
夏キャンプといえば、山と海。
山と海のどっちがいいの?
そう聞かれると、とても迷ってしまうこの季節。
というのも山奥の避暑地でキャンプをするか、海で釣りキャンプをするかという選択を迫られるからです。
気温と湿度が高くなってアウトドアが不快と感じることもある季節でもあります。キャンプで快適に過ごしたいなら、よくあるキャンプマニュアルには標高の高い山や高原のキャンプ場に行くようにと書かれているのですが、僕は海釣りが大好きなのでマニュアルには従わず、夏になると「あちぃー、あちぃー。」とつぶやきながらも海辺のキャンプ場にテントを張っています。
もちろん海キャンプの良いところは、釣りができるだけではありません。
海が見せてくれるダイナミックな風景に日常を忘れることもしばしばあります。
大きな岩に激しく波がぶつかってあがるしぶき、水平線に太陽が沈む瞬間に赤く染まる海と空、真夜中の沖に光るいくつもの漁火の白い灯り、海まで来ないと見られない景色がたくさんあるのです。
秋はフカフカの落ち葉の上にテントを張って寝る
秋キャンプといえば紅葉に落ち葉。
キャンプ場で紅葉を見たいのですが、タイミングを計るのが意外と難しくて、高度や気温を確認しながら・・・。
なんてことは考えずに、僕は毎年同じ時期に同じキャンプ場で紅葉キャンプをやってます。
落ち葉が積もったキャンプ場なら、その上にテントを張りましょう。
テントの下の落ち葉がフカフカの天然ベッド。
寝転がれば、落ち葉のにおいに癒されてもう最高です。
秋の後半になると、冬季営業をしないキャンプ場が徐々に店じまいを始め、ソロキャンパーにとって少し寂しい季節がやってきます。
冬は焚き火の炎に癒される
冬キャンプといえば焚き火ですね。
風が冷たくなると、焚火で暖まるのが気持ち良く感じる頃になります。
一度焚き火の前で体が溶けそうになる心地よさを覚えてしまうと、もうやみつきです。
揺れる炎と、パチパチと爆ぜる音にソロキャンパーは癒されてしまいます。
年が明ければ、美味しい牡蠣を食べるのを目当てに海の近くのキャンプ場に泊まるのが毎年恒例の楽しみです。
焼いた牡蠣は海の味。
ただひたすら焼いては食べますよ。
冬になると草木が枯れ、虫達もキャンプ場から姿を消してしまいます。
生命感のなくなったキャンプ場で「わび・さび」を感じる季節です。
昔は冬キャンプをする人も少なかったのですが、最近は意外と流行っていて冬のキャンプ場に集まるのは人間様ばかりです。
季節の移り変わりは早く、キャンプをしていれば冬を感じた時から、もう春が近づいていることに気づくはずです。
春はお花見キャンプでお祭り気分
色の無かったキャンプ場の枯草の中から、緑色の草が生えてくるのに気がつくと春が一気にやって来ます。
この春の近づいてくる感じが、一年中キャンプをしているキャンパーにとって一番楽しい時なのです。
僕の場合、このころになると無性に毎週キャンプに出かけたくなります。
春キャンプのクライマックスは桜の開花。
お花見キャンプはお祭りキャンプですね。
いつもより人の多いキャンプ場ですが、そんなことにはお構いなくお花見で一日中癒されましょう。
ソロキャンプは続くよ、どこまでも。
ソロキャンパーの一年は、こんな感じでずっと繰り返されます。
それでは、今回はこのへんで。
みなさん楽しいキャンプを!